menu

Ikegami TECH

2026.08.07

Ikegami TECH Vol.58 「AI技術」を活用した欠陥分類 ~外観検査の機械化は人を超える?~

1.概要

製品の品質を担保するための品質検査において、外観検査は重要な役割を果たします。外観検査には人間による目視検査と、カメラを使用した機械的な検査が行われています。人間による目視検査では、疲労による検査精度のバラツキや、人員の確保が課題となり、近年、急速に機械化が進んでいます。機械では、目的の欠陥を検出するための様々なアルゴリズムが搭載されており、各社の技術力が集約されています。

当社でも、欠陥検出するためのアルゴリズムの選択と、閾値を決めることで、外観検査の機械化を実現してきました。機械化の利点としては、検査精度の一定化、24時間稼働、生産性の向上などが挙げられますが、人が判断する不良分類と機械が判断する不良分類結果が異なる場合があります。機械には曖昧さがなく、不良とまではいかない箇所、不良としたくない箇所まで、欠陥として検出する場合があります。これを解決できるのが、今回ご紹介する「AI技術」となります。

「AI技術」を用いた欠陥分類は、主にディープラーニング(深層学習)と呼ばれる手法を用いて行われます。一般的に、欠陥分類へのAI活用には、下記のメリットが期待されています。

・作業員の負担軽減
個人差による検査精度のバラツキや検査員への負担軽減

・熟練者のノウハウ
熟練検査員の技術伝承(感覚の可視化)

・効率化と生産性向上
分析プロセスの加速で製造現場全体の生産性向上

・柔軟な対応
学習のデータの追加で新たな判定基準の設定に対応

・高精度な検出
多様な欠陥パターンや見にくい欠陥等の検出

以降では、検査装置にて過検出した検査画像を対象として、目視基準の良品と不良品にAI分類することを目的とした検証の結果をご紹介します。

※ここで記載する過検出は、検査装置では不良と判断しているが、目視では良品とされる欠陥となります。

2.実験

(1) 実験条件

・画像データとして、目視良品画像が200枚、目視不良品画像が200枚の計400枚を用いる。
・この400枚の画像データを学習用データと評価用データに分割し、枚数を変化させて分類精度を確認する。
今回用意した画像データ400枚のうち、学習用データの画像数が280枚の場合、残りの120枚を評価用データとして用いた。

学習用データ:良品画像140枚 不良品画像140枚 合計280枚
評価用データ:良品画像60枚  不良品画像60枚  合計120枚

・学習用データの枚数を40枚づつ減らしていき、それぞれの枚数において学習したAIにより評価用データを分類し、誤検出率(=誤分類をした枚数/評価用データの枚数)を測定する。なお、評価用データは学習用データ280枚の時と同じデータを120枚用いた。

実験に使用した画像例

【不良品画像】

【良品画像】

 (2)実験結果

学習したAIで、評価用データを分類させた結果は以下の通りです。誤認識率としては約4%~約6%という結果となりました。今回の検証では、学習用データ画像数と誤認識率の関係に関しては、160枚(良品80枚 不良80枚)から、顕著な変化はありませんでした。(下表参照)

学習データを320枚としたときは評価用データは80枚なので参考値とする。

3.まとめ

 今回は、「AI技術」を用いた不良分類をご紹介しました。結果としては、目視の結果に対して、誤認識率約4%~約6%でした。この結果は、「AI」が90%以上の正答率で、人が画像を見て判断していることと、同じ判断をすることができるということになります。AIツールや、学習・判定手法などを変えることで結果は変動しますが「AI技術」を使って、人が判断している作業を「AI」に置換えることができるかもしれないと、感じていただけたのではないでしょうか? 

当社としては、外観検査装置+AI分類装置の組合せでご提案も可能です。検査工程の高度化、効率化、省人化に貢献して参ります。

関連記事を読む

Contact Us

お問い合わせ

ご希望の要望に合わせてお問い合わせください。