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Ikegami TECH

2022.06.15

Ikegami TECH Vol.8  没入感だけではない? 8K技術が支える新たな体験

没入感だけではない? 8K技術が支える新たな体験

現状の地上波放送のハイビジョン(2K)の16倍の解像度を持つ8K。画素数で言うと、ハイビジョンは【1,920X1,080】。
さらに縦横それぞれ4倍の【7,680X4,320】となるのが8Kです。横の画素数が7,680で、ほぼ8,000ということで8Kと言われています。
高精細なため、高い解像感のみならず2次元平面で表示しているにもかかわらず立体的に見えると感じる方も多いようです。
また、8K映像の魅力の一つに「没入感」があります。
テレビの視聴距離は、ハイビジョンでは画面の高さの3倍、4Kは1.5倍、8Kは0.75倍と言われています(視力などによっても異なります)。2Kの場合、例えば40インチのテレビ(高さ約50㎝)を見る場合は、1m50cmの距離となり、視野角で言うと30度となります。
一方8Kの場合、40インチのテレビでは40cm弱、80インチで75cmと至近距離での視聴でも粗さが目立たなく、視野角も100度と広く確保できるため、映像の中に入り込んだかのような高い没入感が得られます。(図1)

8Kは、こういった広視野角での没入感だけでは無く、様々な形での応用が進められています。
まず1つ目は、『解像度を利用した部分的な拡大』の用途です。例えば、スポーツや音楽などの中継でワイドな映像を表示し、視聴者が好きな部分を拡大して見ることや、教育や医療の資料映像を8Kで撮影し、後に細かく見たい部分を拡大するなどの用途があります。8Kで撮影した映像は、4倍に拡大しても2K、すなわちハイビジョン映像並みの解像度で見ることが出来ます。

特に、今後要求が高まると思われるのは遠隔医療の高度化です。専門の先生があまりいない離島などで診断や手術をする際に、遠隔地の専門のドクターが高精細映像を駆使してアドバイスをしたり、診断をしたりするために活用できないかと期待が高まっており、すでに実証実験等が行われています。

写真提供:一般財団法人NHKエンジニアリングシステム様



写真1
遠隔医療実証実験に使われた
医療用8K解像度カメラ

2つ目の例として『物理的に劣化が進むような絵画や文化財の、デジタルアーカイブとしての利用』があげられます。
既に一部の美術館や博物館等で活用されており、今後は、ARやVR技術、マルチアングル撮影技術等と組み合わせて、より実在のモノに近い形での保存も可能になってくると思われます。
当社では2001年以来日本放送協会様と共同で8Kカメラの開発を行ってきました。外観と重量だけを見ても8K技術の進化を感じていただけると思います。

今後、様々な分野にてこれまでに無かったような新たな体験を、8K技術が支えていくものと思います。当社も様々な8Kコンテンツ制作、また8K技術を活用した低侵襲性手術等の未来の医療等、幅広い8K技術の活用に貢献していきたいと考えています。

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