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Ikegami TECH

2022.05.15

Ikegami TECH Vol.7 音声技術を追いかける映像技術

音声技術を追いかける映像技術

前回は、「百聞は一見に如かず」というお話でした。
音声と映像は情報量が100倍以上違うだけあり、技術的にも映像技術の達成は音声技術に比べて難易度が高いことが想像できるかと思います。
ひとつ前のNHKの朝ドラでラジオ放送開始から100周年の2025年にわたるストーリーが描かれていたように、日本のラジオ放送は1925年に始まりました。テレビの放送は、それから四半世紀以上経った1953年に本放送が開始されました。
ここからテレビ放送に向けて、よりたくさんの情報量を送るために様々な技術が進化しました。
こうした音声技術と映像技術の歴史を振り返ると、音声で達成した技術の何年か後に映像でも達成したというものが多くあります。例えば、音楽のカセットテープは1963年に発表されましたが、映像の記録再生用カセットに相当するベータマックスは1975年、VHSは1976年の発表となります。同様に、CDは1982年に登場、それから14年後の1996年にDVDが登場しました。
映像技術は音声技術を相当な年月をかけて追いかけている事になります。
このような技術の対比は中々興味深いです。下表は私の独断で対比してみたものです。

Audio Video
モノラル 白黒
ステレオ カラー / 3D映像
カセットテープ VTR
CD DVD
マイクロフォン ビデオカメラ(センサー)
スピーカー モニター(テレビ)
ヘッドフォン ヘッドマウントディスプレイ
ワイヤレスマイク ワイヤレスカメラ
立体音響 ホログラム映像
骨伝送 網膜スキャン
ボイスチェンジャー ディープフェイク

開発の時間差は数年程度から数十年までスパンは様々です。
例えば、ヘッドフォンが一般的になってから相当な時間が経っていますが、ヘッドマウントディスプレイは未だに一般的には普及していません。技術的な問題だけではなく需要の問題も多分にあるかと思います。
こうして考えてみると、まだ音声技術からトランスフォーム出来ていない映像技術は色々ありそうです。
私の周りにあるモノを眺めただけでも幾つかあります。
例えば、スーパーウーファー。オーディオの重低音に相当する映像表現は何でしょうか? 
また、オーディオの5.1chや22.2chなどのサラウンドに相当する映像表現は何でしょうか?


他にも目覚まし時計:これは嫌な夢を見させて起こす感じでしょうか(笑)。
逆に、映像では実現しているけど、音声に応用できていないパターンもありそうです。
例えばズームレンズはどうでしょう? 研究開発段階では超指向性のマイクで特定のところにズームインできるものがあるようですが、周りの音を上げずに滑らかにズームインできるものはまだ難しそうですね。
このようなことを考えると、何か新しいイノベーションやエクスペリエンスにつながるかもしれませんね。

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