放送
2022.01.18
関西テレビ放送株式会社様へ ご要望にきめ細かく対応した報道サブシステムを納入
池上通信機株式会社は、関西テレビ放送株式会社様へ報道サブシステム(以下、報道サブ)を納入いたしました。
関西テレビ様の報道スタジオでは、毎日、ニュース番組が制作され、現在は「報道RUNNER」、ローカルニュース、天気予報などが制作されています。2005年からニュース番組の制作に運用されてきた報道サブは16年が経過して、2021年全面的に更新されました。
更新に向けて関西テレビ様から、「運用をさらに効率化」、「将来的に長く使える報道サブを構築」、「ラック室の拡張は行わない」というご要望と制約がありました。そこで池上通信機は、報道支援システムと連携し自動運行を行うOTCシステムの更新に加え、4K/HD対応制作スイッチャー「MuPS-5000」、ルーター「UHSM-220220」、周辺機器「OnePackⅡ」を中心としたシステムを提案し、従来のラックスペースの中で報道サブの更新を実現しました。
本報道サブの更新には、二つの特長があります。その一つはOTCに関することで、関西テレビ様の要求仕様に基づき、マスタータリーと局内時計に同期した、厳密な機器の時刻制御を特長とするシステムを実現したことです。これにより、例えば動画素材の動き出し前の「静止画のチラ見え」を防止します。
もう一つの特徴はOTC以外の部分で、関西テレビ様のご要望にお応えして、素材映像の「ID表示方式」と「情報カメラ自動スーパー機能」を開発したことです。
「ID表示方式」は、関西テレビ様の中継連携システム「TAKT」とインターフェースをとっている当社の「OTC-Gateway Server」が、TAKTから素材情報を受け取り、収集したメタ情報(ルーター名称、中継手段、中継場所など)と合わせて、各モニターに設置された「ID表示器」あるいはマルチビューアー内の表示枠へ自動的に表示します。「ID表示器」は精細な2連液晶パネルで横方向に従来の2倍の大きな表示枠を持ち、必要な素材情報を的確に表示します。
「情報カメラ自動スーパー機能」は、ルーターに入力される各拠点の情報カメラ素材をスイッチャーで選択すると、その情報カメラに対応したスーパー素材を、スイッチャーのKEY列へ自動的に出力する機能です。スーパー素材は、フレームメモリーを有するファイル装置に事前に登録しておきます。この「情報カメラ自動スーパー機能」により、例えば「梅田駅」をスイッチャーで選択すると、KEY ONにより梅田駅にリンクしたスーパー素材が情報カメラ映像に自動的にスーパーインポーズされます。
このたびの報道サブ更新では、設置工事期間中のニュース番組制作を他の制作スタジオで行い、その間に報道サブの旧設備を撤去して、新設備(一部移設を含む)を設置する必要がありました。番組スケジュールの都合も重なってかなり厳しい工事期間となりましたが、多くの放送システム設置工事で培ってきた池上の経験と、関西テレビ様の技術・現場スタッフの方々のご協力により、無事設備の更新を終えることができました。
池上通信機は、カメラからスタジオサブシステム、中継車、伝送システムまで幅広く構築することができる特長を生かして、デジタル放送設備のシステム提案を行い、お客様にご満足いただけるシステムの提供と納入後の保守メンテナンス対応を実施してまいります。
【 システム仕様 】
スイッチャー:MuPS-5000(100入力×60出力)(4ME、3D DFE 4ch、DSK 8ch、USK 10ch)
ルーター :UHSM-220220(220入力×200出力、最大220×220)(MV内蔵: HD分割画面8出力、3式、DSK 8ch)
周辺機器 :OnePackⅡ、2U筐体×15式(MUX 6系統、DMUX 5系統、DSK、6x4SELプロセス10系統以上、SDI分配器)
OTCシステム :Ikegamiオリジナルシステム
【 カンテレ社内見学オンラインツアー 】
関西テレビ様は、社内見学をオンラインで体験できる、「まるっと360°カンテレ社内見学オンラインツアー」を公開されています。その第1弾(2021年9月)では、本稿で説明させていただいた「報道スタジオと報道サブ」の様子が紹介されています。
「カンテレ社内見学オンラインツアー」はこちらから視聴できます。
https://www.ktv.jp/ktv/literacy/tour/onlinetour.html




