放送
2015.04.13
世界初のハンディタイプ8Kスーパーハイビジョンシステムカメラを日本放送協会(NHK)様と共同開発
第1世代の8Kスーパーハイビジョンカメラと比較して、約1/10の小型・軽量化を実現、実運用性を追及

池上通信機株式会社では、大幅な小型・軽量化により、屋外中継・ロケでの運用性を現行カメラシステムと同等にまで高めた8Kスーパーハイビジョンカメラ「SHK-810」を日本放送協会様(以下、NHK)と共同開発しました。
池上通信機は、2002年、次世代の映像技術を見据え、NHKと共同で世界初の8Kスーパーハイビジョンカメラを開発。以降、2004年に第2世代、2010年に第3世代と最先端技術を駆使し、8Kスーパーハイビジョンカメラの技術革新の一翼を担ってきましたが、今般、NHKとの更なる技術革新・共同開発が結実し、2015年3月に第4世代の8Kスーパーハイビジョンカメラとして、初代カメラと比べ約1/10の小型・軽量化を実現し、運用性を格段に高めた最新鋭のスーパーハイビジョンシステムカメラ「SHK-810」を完成させました。
総務省ロードマップでは、BS等による4Kおよび8K実用放送を2018年までに可能な限り早期に開始することが示されており、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック開催年である2016年にはBS放送において4K・8Kによる試験放送を行う方針です。また、東京オリンピック・パラリンピックの開催年である2020年には、「目指す姿」として、「東京オリンピック・パラリンピックの数多くの中継が4K・8Kで放送されている。また、全国各地におけるパブリックビューイングにより、東京オリンピック・パラリンピックの感動が会場のみでなく全国で共有されている」「4K・8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K・8K番組を楽しんでいる」としており、8Kスーパーハイビジョンを頂点とする超高精細映像に対する期待は非常に高まっています。
池上通信機は、今後、全世界で需要が高まることが予想される超高精細映像技術への要望に対し、4月13日からアメリカ・ラスベガスで開催される世界最大の放送機器展示会NAB Show2015に8Kスーパーハイビジョンカメラ「SHK-810」のほか、4K映像に対するソリューションとして、既存のHD放送用カメラの操作性と運用性を踏襲した新開発 4K 3CMOSカメラシステムも技術展示。来たるべき8K・4K超高精細映像の普及に、放送用カメラシステムのトップクラスのメーカーとして、今回の最新鋭8Kスーパーハイビジョンカメラ開発で培った技術を更に進化・具現化し、最先端の技術で応え続けていきます。
【8Kスーパーハイビジョンカメラ SHK-810 主な特長】
◇撮像素子には、3300万画素CMOSセンサを搭載。カラーフィルタにデュアルグリーン方式を採用し、高い変調度と限界解像度4000本を達成しました。
◇システム・エクスパンダー(SE)を用意。高い機動性を活かした小型カメラとしての運用はもちろん、SEとの一体化により大型レンズ搭載が必須となるスタジオ・中継用のシステム・カメラとして活用できます。
◇IkegamiのハイビジョンカメラUnicam HDシリーズに搭載し、撮影スタッフのフォーカス操作をサポートする「フォーカスアシスト機能」や、レンズの色収差データを自動的に読み込み補正する「レンズ色収差補正機能」のほか、「タリー」「インカム」などのコミュニケーション機能を搭載。従来のハイビジョンカメラと変わらない運用が行えます。
◇レンズマウントは、PLマウントのため、8K専用レンズのほか、シネマ用レンズ、4Kレンズなど市販のレンズに対応しています。また、高精細フランジバック調整機能により、シネマ用短焦点レンズ搭載時にバックフォーカスの調整が容易に行えます。
◇カメラとCCU(カメラコントロールユニット)間は、現行のハイビジョンカメラと同様の光複合ケーブルで接続できます。長距離伝送の実現により、各種中継システムへの対応を可能としました。
主な仕様 | |
外形寸法 | カメラヘッド:W168 xH228 x D395.3mm CCU:W482 x H222 x D478mm |
質量 | カメラヘッド:9kg以下 CCU:30kg以下 |
限界解像度 | 4000本 |