放送
2015.09.16
世界初の8Kスーパー ハイビジョン中継車を製作
SHVの発展に貢献
池上通信機株式会社は、世界に先駆けた本格的な8Kスーパーハイビジョン(以下8K-SHV)中継車を製作しました。本中継車は、超高精細な映像と22.2chサラウンド音声による究極の臨場感を視聴者に伝える8K-SHV番組制作の中核を担う設備であり、今後の8K-SHV放送に向けて重要な役割を果たすものです。
池上通信機は、2015年3月に第4世代の8K-SHVカメラとして初代カメラと比べ約1/10の小型・軽量化を実現し、運用性を格段に高めた最新鋭の8K-SHVシステムカメラ「SHK-810」を日本放送協会様(以下NHK)と共同で開発しました。8K-SHV制作設備の具現化に積極的に取り組んでおりますが、更に超高精細映像を扱うシステム構築技術と中継車製作のノウハウを結集させることで、世界初となる8K-SHV中継車を完成させました。
総務省のロードマップに則り8K-SHV放送は、来年2016年に試験放送が始まり、2018年には実用放送が開始される予定です。8K-SHV番組制作では、現行の地上波放送であるHDTVの16倍の情報量の映像を扱うため、8K-SHV対応の機器は、サイズ、消費電力、ケーブル数において、HDTV機器を大きく上回ります。そのため、通常の中継車以上に、限られたスペースの中で必要な機能を具現化するシステム構成力、オペレータの効率的な運用をサポートする機器配置、省スペース、省電力化、道路交通法に則した高度な車両設計などが求められます。本中継車は、最新の8K-SHVシステム構築技術とこれまでの豊富な納入実績で培われた中継車システム構築の経験とノウハウを最大限活かすことで、高い運用性と信頼性・保守性・安全性を実現しています。さらにグローバルでの運用も配慮しており、オリンピック等の世界的なスポーツイベントでの運用が可能な仕様となっております。また、将来的に業務内容や運用規模が増加した場合でも、柔軟に対応できる優れた拡張性を備えています。
池上通信機は、これまでに800台以上の中継車を納入してきました。そのノウハウを生かし、NHKのご要望を具現化し、安心して8K-SHVの番組制作ができる中継車を製作、本年9月にNHKに納車いたしました。この8K-SHV中継車は、放送の未来を拓き、まるでその場にいるような臨場感を視聴者の皆様に伝えるため活躍していきます。
8K OB VAN
中継車概要:
- 車輛 全長:11,930mm、全幅:2,495mm、全高3,330mm、運用時1000mm拡幅
- スイッチャ 16入力4出力 1M/E
- ルータ 8K,4K,HDの各ルータを装備
- DSK 8K 4スーパー対応
- カメラ 8Kカメラ 池上製SHV-8000,SHK-810他、最大10台まで対応可
- 録再機 8K録再機 4台まで対応可
- スロー再生機 8Kスロー再生機 4台まで対応可
- 音声ルータ MADI対応
- スイッチャ卓モニタ メインモニタ 55型 8K対応
- 素材モニタ 55型 マルチビューワ対応
- VE卓モニタ 32型モニタ他