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放送

2024.04.04

株式会社新潟放送様 - 新潟県新潟市

高性能かつ高機能なルーターの共有化によりコストパフォーマンスの高いサブシステム構築を実現


ロビーで迎えるイメージキャラクターの「ハレッタ」

日本一長い河川が海へとたどり着く新潟市で、信濃川沿いに局舎を構える株式会社新潟放送(以下、新潟放送)様へ、池上通信機は、2022 年3 月にニュースサブシステム、2023 年 1 月にテレビサブシステムを納入しました。新潟放送様は、1952 年に株式会社ラジオ新潟(RNK)としてスタートし、新潟県で最も歴史ある唯一のラジオ・テレビ兼営の民間放送局です。2022 年に 70 周年を迎えて登場したイメージキャラクターの「ハレッタ」が、ロビーで出迎えてくれます。新潟の風土をベースに太陽と雲の形をした耳をもつパンダのような可愛らしいキャラクターです。

池上通信機が納入したニュースサブシステムとテレビサブシステムが併用で運用されて 1 年が経過し、実際の現場での使用感や運用状況、また選定時のポイントなどについて詳しくお話を伺いました。

Ikegamiの放送設備をご採用いただいたポイント(井上様)


井上様

更新前に使用していた池上製ニュースサブシステムは、長い間トラブルなく運用してきて、頑丈でとても信頼性が高いという印象です。そして、今回導入した池上製のルーター「UHSM-220220」は、標準で全入出力 HD/3G/12G-SDI のマルチフォーマットに変換無しで信号が通る仕様は素晴らしいと思います。また、4K まで対応しつつマルチビューワー機能も搭載した優れたルーターは「UHSM-220220」だけでした。一方、映像プロセス装置であるスイッチャーや OnePackⅡは、オプションを追加することでフル4K まで対応できるようになるので、将来の 4K 化に対する可能性が見いだせた点もキーポイントとなりました。こちらが希望していることが何でもできる高性能な製品と、それをユーザーの使い勝手に合わせてシステムアップできる池上の提案力が今回両サブ採用の決め手となりました。

以下、鷲尾様に伺いました。

より快適な作業環境とコストダウンを目指して


鷲尾様

更新前のニュースサブシステムも池上製でしたが、テレビサブシステムは他社で構築していたため、素材の共有という面で管理が煩雑になり、システムごとに管理しなければならないといったデメリットが生じていました。今回の更新では、両サブシステムで池上製ルーターを共有することにより、素材の管理が一元的に行えるようになり、コストダウンも図りつつ、より効率的な作業が実現しました。

両サブシステムで共有しているルーターについて

ニュースサブシステムおよびテレビサブシステムの大きな特長は、ルーターを共有している点です。両システムで素材を共有できる設計は、運用性を確保しながらも高いコストパフォーマンスが図れています。
どちらのサブシステムも池上製のルーターでマルチビューワーを作り出しています。その点が秀逸で、池上製だけが実現可能な仕様でした。他社製だと外付けタイプの分割装置を導入することになってしまうので運用に制限が出てきてしまいます。「UHSM-220220」は、素材切替えも簡単で、手間が無い点でも非常に優秀な製品だと実感しています。

75型モニターにマルチビューワー機能で表示されたテレビサブシステム

ルーター「UHSM-220220」ほか各機器が設置されたラック室

ルーター「UHSM-220220」

ニュースサブシステムの特長

ニュースサブシステムの配置について、以前は報道フロアーにはなく、全く別の離れたマスター監視室の隣にありましたが、更新にあたりアクセスと即時性を良くするため、フロアーの真ん中に設置し直しました。さらに椅子2つ分くらいのコンパクトサイズに操作卓を収め、ワンオペレーションしやすくなりました。
また、本システムは専門的なオペレーション経験を必要とせず、1人でもワンタッチで送出できるOTC(ワンタッチコントロールシステム)中心の運用となっています。定時ニュースのように放送頻度が高い現場では、効率的かつ簡易的にワンマン操作できるシステム運用が重視されるため、技術をあまり詳しくない人でも操作しやすいシステムになっています。

ニュースサブシステムの主な構成機器
スイッチャー MuPS-5000 中型スイッチャー 40入力 × 20出力、2M/E
(6Uサイズ、最大60入力×40出力)
ルーター※ UHSM-220220 200入力× 200出力 (最大220入力×220出力)
周辺機器 OnePackⅡ Series
オーディオプロセッサー DAF-020

※テレビサブシステムと共用

OTCをはじめとした機器の使い心地について


ニュースサブシステム

ニュースサブシステムは、モニター画面も見やすく、表示映像やダイレクトタッチの素材も増えて今まで以上に使いやすくなりました。これまで使用してきた池上製システムの安定性、充実したサポート体制についてはとても満足しており、これからも期待しています。
OTC の操作性は本当に申し分がなく、とても使いやすいです。15 年以上ずっと池上製の OTC を使用しているため、更新後も操作性が継承されているので、報道デスクのオペレーターにとってストレスのない運用ができています。

また、ニュースサブシステムには、モード切替えというボタンがあるのですが、それぞれオンエアモード、リハーサルモード、中継モード、上りモードへと切替えることで、モニターに表示される画面と同時に音声もミックスされて出力が切替わるという細かい要望にも、池上には応えていただけました。さらに送り返しの音のマトリクスについても、ボタンや装置自体のサイズなどのリクエストに対して、カスタマイズ対応していただき、ライブ中継でよく活用していますが、とても操作がしやすくなりました。
モニターは、これまで切替えながら複数の映像を確認していましたが、マルチ画面表示となったため一目で全て確認でき、とても便利になりました。モニターの1台は 16 画面表示で、もう1台は 10 画面表示としています。例えば、地震や災害時に 8 つの情報カメラで捉えた映像を一気に表示することができるようになり、大変見やすく使いやすくなりました。


マルチパーパスカメラ「HDL-45E」、「HDL-40」

ニューススタジオでは、更新前のサブシステム時代から長い間愛用しているマルチパーパスカメラ「HDL-40」や新規で導入した「HDL-45E」を使用しています。いずれも池上製のカメラですが、今回のシステムに合うようにカメラの細かい設定にも対応していただきました。

4K対応のテレビサブシステムにおけるスイッチャーの使い心地

テレビサブシステムには、信頼性の高い池上製のスイッチャー「MuPS-5000」と「OnePackⅡ Series」等の周辺機器を導入しHD/3G/12G-SDI のマルチフォーマットに対応、4K の運用が可能になっています。「MuPS-5000」は、以前使用していた他社のものよりも高性能かつ高機能なスペックとなり仕事がしやすくなりました。スイッチャーに入ってくるリソース数が多く、切替え操作のストレスが全く無くなりました。また、ボタンの数を増やしたことで直接素材を出せるという点でも効率的になりました。オプションで付けたダウンストリームキーヤー機能によってスーパーやワイプを行える数が以前よりも増え、ルーター側では漢字表示や色分けができる等充実した機能があり、ハイクオリティな番組制作ができます。ハイスペックでいろいろなことが無限に近いほどできてしまい、全ての機能を使いこなすのが難しいくらいです。

テレビサブシステムの主な構成機器
スイッチャー MuPS-5000 3ME 大型スイッチャー 80入力 × 40出力、3M/E
(4K︓20入力×10出力、2ME)(14Uサイズ、最大120入力×60出力)
スイッチャー操作パネル 3M/E 40ボタン操作卓
周辺機器 OnePackⅡ Series

テレビスタジオでもこだわり

テレビスタジオでの作業環境にもこだわりました。スタジオでプレビュー用のモニターを載せるロージープからは、これまで複数の長いケーブルが繋がった状態で移動させており、絡まって大変でした。そこでフロアーにケーブルを垂らすことのないワイヤレスタイプのスタジオロージープをオリジナルで製作していただき、非常に使いやすくなりました

ワイヤレスタイプのスタジオロージープ実現のためのポイント3つ

スタジオ脇の送信機からロージープに搭載している受信機に映像信号を伝送。

周波数 5GHz で遅延量 1 ミリセック以内の無線装置を採用。
  フロアーモニターの遅延にストレスを感じさせないよう演者に考慮。

搭載機器駆動用バッテリーをロージープに搭載。収録時間を考慮した容量のバッテリーを採用。

Ikegamiへの要望

今までどおり、すごい製品を開発して欲しいです。強いて要望を出すとすれば、もう少しエネルギー効率の高い製品に期待しています。

アイデアを出し合い苦労を共に

過去、サブシステムを HD 化する際は仮設サブシステムを構築し、既存のサブシステムを運用しながら移すという大変な作業がありましたが、これまでの池上通信機との関係性もあり、今回も協力してスムーズに対応することができました。
年末年始の時期に短期間でサブシステムの切替え作業をお願いすることとなりましたが、色々な難しい依頼にも応えていただきました。仮設サブシステムを製作することなく、お互いに知恵を出し合いながら、サブシステム構築を達成できた点でも良い経験となりました。ありがとうございました。

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