セキュリティ
2020.01.07
三原テレビ放送株式会社様
2018年(平成30年)7月、台風7号および梅雨前線等の影響により集中豪雨が発生。西日本豪雨と呼ばれる記録的大雨が自然豊かな三原市を襲い、市内を流れる河川の氾濫、土砂崩れ等により甚大な被害が発生しました。当時、三原テレビ放送株式会社(以下、三原テレビ)様は、三原市災害警戒本部が設置された時点から通常放送を災害放送に切替え、視聴者に注意喚起を行いました。災害を受け、迫る危険をより効果的に情報発信するための更なる施策を検討し、その一つとして河川監視カメラの導入を決定。2019年(令和元年)6月から運用を開始されました。

三原市を流れる沼田川
2018年(平成30年)7月、台風7号および梅雨前線等の影響により集中豪雨が発生。西日本豪雨と呼ばれる記録的大雨が自然豊かな三原市を襲い、市内を流れる河川の氾濫、土砂崩れ等により甚大な被害が発生しました。
当時、三原テレビ放送株式会社(以下、三原テレビ)様は、三原市災害警戒本部が設置された時点から通常放送を災害放送に切替え、視聴者に注意喚起を行いました。災害を受け、迫る危険をより効果的に情報発信するための更なる施策を検討し、その一つとして河川監視カメラの導入を決定。2019年(令和元年)6月から運用を開始されました。
池上通信機は、港湾・河川などの屋外環境でも運用可能なフルHD屋外耐環境型コンビネーションネットワークカメラPTC-113-HDIPにより高画質な映像を提供。高機能なコンビネーションカメラにより、多方向の監視も可能で、日中から夜間、悪天候時の状況までリアルタイムで三原テレビ様の放送システムまで届けています。またPCレスを実現するための周辺機器として9分割表示装置(9chデコーダ)「IMV-90」を使用し、副調整室における映像切替とレコーダ「INR-2000」による映像の記録を行っています。
今回、その施策に至った経緯、今後の展開等について、放送制作部 兼 経営企画部 課長代理の上吉 宏美様、放送制作部 主任の熊野 貴浩様からお話を伺いました。
三原テレビ様の概要をお聞かせください
三原テレビは三原市全域を対象としたCATV局で、接続世帯数は約17,000世帯。エリア内総世帯数の40%になります。
設立は1983年(昭和58年)であり、広島県内では一番歴史があるCATV局です。
事業を通じて地域に貢献できるよう、地域活性化や住民の皆さんの安心・安全につながる番組作りを心がけています。
災害放送の充実だけでなく、毎年8月に行われる「やっさ祭り」の生中継なども放送しています。
今回の河川ライブカメラの導入の経緯について、お聞かせください
三原テレビは三原市災害警戒本部が設置された2018年7月5日の昼過ぎから通常放送を災害放送に切替え、社屋前の沼田川の映像をライブ中継するなど視聴者に注意喚起を呼びかけてきました。
SNSに投稿されていた写真等の使用許可を得て放送に載せ、給水情報、炊き出し情報、災害ごみの収集情報、罹災届けなどの生活支援情報を発信し続けた点は、視聴者から非常に高い評価を頂いています。
地上波等のテレビ報道は広島県内の広域を対象とせざるを得ないため、地域密着のCATV局の利点を活かせたと思います。

監視カメラが見守る船木大橋から見る沼田川
しかし一方で、市内で今起きていることを伝えることの必要性を強く感じました。三原市は近年大きな災害を経験していなかったので、住民の皆さんの災害に関する関心は決して高いものではありませんでした。残念ながら今回の災害では、避難が遅れるなどで8名の方がお亡くなりになっています。
迫る危険を「自分のこと」として感じてもらい、命を守る行動につなげることはできないか?そのような議論を重ねた結果、施策の一つとして河川監視カメラを4台設置することを決めたのです。
2台のカメラはサンライズマリン瀬戸の屋上に設置し、三原港と西野川を見ています。
サンライズマリン瀬戸は市街地で一番高い施設のため、見通しが良いのです。
導入の契機は水害なのですが、通常の番組ではオープニング映像や国道を映して交通状況をお伝えすることにも活用しています。
残りの2台は、沼田川の船木大橋付近、菅川の菅川橋付近に設置しています。
どちらも氾濫被害が発生した場所になります。
設置には、多方面への調整など、ご苦労もあったのではないでしょうか
三原市は防災スピーカーの設置や各戸にFM放送受信設備の配布を進めるなど防災に前向きです。西日本豪雨の時も「行政ができないことを三原テレビがカバーしてくれた」とのご評価も頂いており、三原市・広島県と密に連携し検討を進めていきました。地域の話を聞きながら設置場所を決め、地域住民への説明会を実施したこともあり、皆さんからは十分な理解が得られたと思います。
カメラ選択にあたって当社を採用して頂きました。その理由は何だったのでしょうか
放送局ですので、池上通信機はもちろん知っていました。
ただ、監視カメラも扱っていることまでは、正直、知りませんでした。数多くのカメラを比較検討させていただきましたが、一番感度が良かった点が採用の決め手でした。
設置予定場所は街灯もない場所です。そのような状況下でも水位が判ることが絶対条件でした。赤外灯を併用すれば、真っ暗な夜間でも河川の状況が確認できましたので選択させて頂きました。
今後の展開について、お聞かせください
全国的に自然災害が多くなっていると感じています。西日本豪雨の被災経験を受け、地元密着のCATVとしてできることは何かを検討し具現化してきました。
広島県とも協議を重ね、警戒レベル3相当の警報が発表されれば、県が提供する市内10個所の河川の水位情報をビジュアルで示す仕組みを整えました。また、河川監視カメラを自分の地域にも設置して欲しいという声も挙がっていますので、設置場所等について三原市とも協議を重ねています。
また一方では、三原テレビは地元の安全・安心に役立つ放送をしているということを一人でも多くの住民に知っていただくことが課題です。周知のために「MIHARA河川ライブカメラ」というパンフレットも作成しました。
いつ起こるか判らない災害を心のどこかで意識しておいてもらい、万一の場合は適切な行動に繋げてもらう。そして被災後も一日でも早く日常が取り戻せるようにきめ細やかな情報を提供し続ける。
それこそが三原市民とともにある三原テレビの使命と考えています。
近年、異常気象による大規模災害が多発しており、河川監視や斜面の監視などのニーズが高まっています。
池上通信機は、映像技術を活かした多彩な製品ラインアップとシステム構築力で、防災・減災の分野で社会に貢献してまいります。
三原市概要

駅前にある「やっさ踊り」
広島県における交通の要衝である三原市。
広島県中央東部に位置し、人口約93,000人、約44,000世帯が暮らす*同市の南部には、沼田川流域の平野に加えて、瀬戸内海と山地に挟まれた帯状の平野が広がります。市の中心には三原城址があり、夏には築城を祝うことから始まったとされる「三原やっさ祭り」で街は賑わいを見せます。瀬戸内海に面した三原港からは、近年、野生のうさぎの島として多くの観光客が訪れる大久野島(竹原市)へもアクセスできる環境を整えています。
*2019年(令和元年)10月31日現在




「たこ料理」でも有名な三原市

三原市名物「だるま」
IP9画面表示ユニット IMV-90

最大9台のフルHD IPカメラの映像をモニタ画面に9分割表示する画面分割表示ユニット。
フロントボタンで、単画面/4分割画面/6分割画面/9分割画面を簡単に切替え可能。
IPカメラ、PoE HUB、モニタとIMV-90(本機)だけで完結するPCレスのシンプルなシステム構成が可能なHD9画面表示ユニットです。
HD対応ネットワークレコーダ INR-200

H.264ネットワークカメラ/ネットワークエンコーダで圧縮された映像と音声をネットワーク経由で受信、ハードディスクに記録するネットワークレコーダです。記録したデータはネットワーク接続されたクライアントPCで検索、多画面で再生表示できます。
スタンドアロン運用に加え、オプションで大規模システム化にも対応可能です。
Ikegamiが提供するコンビネーションカメラ Line up


- 屋外耐環境型フルHDコンビネーションネットワークカメラ PTC-113Ⅱ-HDIP
- 超高感度・屋外耐環境型フルHDコンビネーションカメラ PCS-7700HD
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