メディカル
2026.08.17
横浜どうぶつ眼科様
貴重な動物の硝子体手術映像を鮮明に記録するカメラシステム
~眼科専門の獣医師育成に貢献、アメリカの獣医師とのディスカッションにも活用~

横浜どうぶつ眼科様は、愛犬の散歩を楽しむ人々をはじめ、多くの市民の憩いの場となっている根岸森林公園の近隣に位置する、眼科専門の動物病院です。2023年に手術顕微鏡用のカメラシステム「MKC-704KHD」をご導入いただきました。今回、眼科専門の獣医師として学会の発展や育成に力を注がれている院長の梅田裕祥様にお話を伺いました。
眼科専門の動物病院
北海道の大学で獣医師の勉強をしていましたが、その際に、客員で来られていた先生に声をかけていただき、眼科分野に進むことにしました。勤務しながら大学院医学研究科に通いましたが、獣医師の研究科があるわけではなく人間の眼科学講座でした。医学部は研究のための機材や設備が揃っていて、今でも研究に行っています。
人間は寿命が延びているということもあり加齢による白内障が多くなりましたが、犬は若年でも遺伝や糖尿病で白内障になるのが特徴といえます。最近のペットブームで症例も増えてきていますが、当院のような眼科専門の動物病院はまだまだ少なく、学会の専門医だけでも30人くらいです。学会としての底上げが必要と考え教育にも積極的に取り組んでいます。当院へは、一般の動物病院からの紹介で来院されることが多いですね。当院の勤務医が一般の動物病院に定期的に行くこともあります。
眼底が明るい動物だからこそ性能を発揮できる素晴らしいカメラ

動物は眼底が明るいです。夜ライトに反射して動物の目が光ることがありますが、人間とは違い目の奥の眼底にタベタムという反射板があって眼内を明るくしています。そのため暗いところでも見えるようになっています。しかしながら、硝子体手術で眼底にライトを当てると強く反射してしまい、ハレーションを起こしてしまいます。導入したIkegamiのカメラシステムだと適切な調整ができ、かなり抑えられるようになりました。
価格に見合う高性能なカメラだと感じています。
Ikegami製品は選んで間違いがないという印象
動物病院では、なかなか人間に使うような高い機材を揃えられず、カメラなどの映像機器部分に関してはお金をかけられないところが多いです。医療用というより工業用のCCDカメラを使うところもあります。当院でも最初はデジカメを工夫して使用しており、水晶体部分ならまだ見られる感じでした。しかしながら、硝子体手術になると輝度などの調整の難しさを感じ、学会の発表などでは、もう少し良い映像で見せる必要があると思うようになりました。
診療室1のスリットランプ
勤務医をしていた頃、スリットランプに付いていたのがIkegami製のカメラでした。綺麗な映像が撮れる印象は持っていましたが、硝子体手術で思うような映像が撮れるかどうかまではわかりませんでした。だからこそ間違いのないIkegami製カメラで!という思いはありました。実際に導入して使用を重ね、録画した映像をさまざまなところで活用しています。網膜剥離などでは立体感が綺麗に出るようになりましたし、硝子体手術の映像は見やすくなりました。やはり選んで間違いないと感じています。
4つの診察室と⼿術室で効率的に運⽤
受付やロビーは、設計士と打合せを重ねながら作り上げられており、落ち着く空間を提供します。新たに医院を建てた際に、診察室を2つから4つに増やされました。スリットランプは第1診察室に1台あり、奥の処置室にも1台あります。手術が多いので、診察室で時間を要する手術の説明をし、処置室でスリットランプによる診察を行うことで効率的に運用されています。車で来院される方も多く、広い駐車場が用意されています。

受付・ロビー

診察室1・診察室2

診察室3・診察室4
手術室
映像の大切さ、重要性。獣医師同士のディスカッションで活用

アメリカの獣医師とディスカッションすることがありますが、その際に硝子体手術の動画を送ったりします。硝子体手術をしている獣医師は世界的にも少なく、アメリカの施設でもまだ10か所くらいと言われています。
国際獣医眼科学会の中で硝子体手術のセッションを立ち上げているところですが、国によっては硝子体手術を見たことがないという先生もいるので、映像がないとディスカッションが進みません。そういう意味で高画質な映像の重要性を強く感じています。
眼科専門の機材や設備

眼科⽤⼿術顕微鏡をはじめとした眼科⼿術⽤の機材
最近では院内に専門の診療科をおく動物病院も増えてきています。動物用の眼科機材はほとんどないので、人間と同じものを使います。診療環境を整えるにはコストがかかります。眼圧計は動物用があり専用の手持ちタイプの眼圧計を使いますが、スリットランプは人間と同じ機材や設備を使っています。アメリカは大型犬が多いからか、手持ちタイプのスリットランプを使うことが多いのですが、小型犬・中型犬が多い国内では、検査時に犬を支えることも難しくないので、施設によっては光学系、照明系がしっかりしている据置型のスリットランプが好まれるようです。手術顕微鏡も人間と同じものを使用しています。
手術映像は欠かせない教材
手術室のワゴンに設置したMKC-704KHDのカメラコントロールユニット
とデジタルレコーダーMDR-600HD
手術映像は、獣医師の育成においても大切な教材になっています。
院内での教育では実際に手術を見ながら指導できますが、最近は他の施設に行って指導することが多くなってきています。その場合は、教育用に動画を見てもらうようにしているため、手術映像は欠かせない教材です。白内障手術も人間ほど件数は多くないので、一つ一つの動画が貴重です。さらに硝子体手術は、日本でも実施しているところが少ないため、教材として映像に残すことがとても大切です。名古屋や大阪で獣医の眼科専門の施設に行って硝子体手術を教えていますが、その時には映像を見せながら指導しています。
遠方からの患者も受け入れて対応
動物の白内障手術ができる病院は限られており、県内でも10施設くらいだと思います。手術目的で紹介されて来院される方が多いです。動物病院自体は多くなったと思いますが、毎年獣医学部に入学できるのは、全国でも1000名程度なので、眼科専門の獣医もそれほど多いわけではありません。
手術日を決めているわけではなく、平日は毎日のように手術しています。全身麻酔で手術するので、両眼を同時に手術することもあります。日曜日は休みにして、勉強会とか学会に行くことが多いですね。
池上通信機に期待すること
以前使用していたデジタルカメラと比較して、今回導入したカメラは眼底の反射板によるハレーションをかなり抑えられるようになりました。それでもライトの当て方や眼球の傾きで反射板がピカッっと光ってハレーションが気になることはあり、さらなる改善を期待しています。術中はスタッフが対応できることにも限りがあり、映像の明るさが変わってもカメラ調整まではできません。一時的なハレーションに対して、カメラが自動で判断して良い映像に調整する機能が備わるとさらに良いカメラになると思います。
主な納⼊製品
横浜どうぶつ眼科 院長 梅田 裕祥 様

所属
- ⽐較眼科学会(理事、獣医眼科学専門医)
- ⼀般社団法⼈ ⽇本獣医眼科カンファランス JVOC
(役員、獣医眼科基礎講習会講師、獣医眼科⼿術研究会幹事) - 順天堂⼤学医学部眼科学講座(⾮常勤講師)
経 歴
- 2005年
酪農学園⼤学獣医学部卒業
獣医師免許取得
トライアングル動物眼科診療室勤務(〜2013年) - 2006年
ACVO(アメリカ獣医眼科学専⾨医会)主催
Basic Science Course修了 - 2007年
順天堂⼤学⼤学院医学研究科⼊学(社会⼈枠) - 2011年
同⼤学院修了
学位(医学)取得
獣医眼科学専⾨医(⽐較眼科学会) - 2024年
順天堂⼤学医学部眼科学講座、⾮常勤講師着任









