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メディカル

2026.01.29

医療法人社団 済安堂 井上眼科病院様

眼科医療の発展と共に歩んできた「眼」の総合病院が取り組む人材育成に映像システムが貢献

井上眼科病院様は、東京の中央・お茶の水に位置し、周辺に多くの大学病院を有する環境のもと、140年以上もの長きにわたり眼科専門として医療に取り組まれてきました。在籍医師は、井上眼科病院グループ全体で102名、外来数24外来、外来患者数年間延べ38万人、入院患者数年間1.4万人以上を受け入れる「眼」の総合病院です。*1手術顕微鏡用カメラシステムとしてアナログカメラの時代から長年にわたり当社製品をご使用いただいてきた井上眼科病院グループ 理事長であり、井上眼科病院の院長を務める井上賢治先生にお話を伺いました。

*1: 「井上眼科病院グループ2024年度報告書」より

手術顕微鏡に取付けられたカメラ

「患者さま第一主義」を基本理念として、患者さまの身になって広く眼の人生に寄り添って貢献

当院の開業は140年以上前で、初代の井上達也院長が、多くの患者さまの眼の治療に広く貢献したいという思いで東京大学を辞して創立したのが済安堂医院、現在の井上眼科病院です。第9代院長であった父の時代から我々も患者さま第一で取り組んでいます。一般的に昔は患者さまよりも医者の方が上みたいな風潮がありましたが、そうではないということを父が唱え、患者さまの身になって考えるということを大切にするようになりました。今では普通かもしれませんが、井上眼科病院では、いち早く浸透していったかと思っています。


 明治時代より140年以上にわたり眼科医療に取り組む

1881年に東京・神田駿河台に創立された済安堂医院が井上眼科病院となり、眼科医療の発展と共に歩まれてきました。駿河台界隈では夏目漱石が通った病院としても語り継がれています。お茶の水・井上眼科クリニックがあるビルの20階の「目の歴史資料館」では貴重な資料が展示されています。


将来を担う人材の育成に映像を活用


カメラを取付けた手術顕微鏡 (手術室1)

各手術室の手術顕微鏡に池上のカメラシステムを取り付けており、それらの映像を伝送してホールや医局で表示できるようにしました。当院ではこれからの医療を担う若い先生も多く、育成ということをとても大切にしています。教育という意味でエキスパートの先生の手術を見るということは、大変勉強になります。手術顕微鏡を使った眼科手術の場合は、側にいる人しか直接見られませんが、手術顕微鏡を通した術野のカメラ映像を見られることは教育上大いに役立ちます。アナログのSDカメラ時代から池上のカメラシステムを導入していますが、今はHDになり映像も高精細化し色再現性も向上しています。よりリアルな手術映像を見られるようになったのは、素晴らしいことだと思っています。
また、指導医が若手の手術をライブで見ながら、インカムを使って指導できるようにもしました。当院では、4つの手術室の映像を4階手術準備室のモニターにも映るようにしています。難しそうな箇所に手術が差し掛かると指導医が助言をしていくので、すごく効率的です。映像がライブで瞬時に見られるということがすごく良いと感じています。 

カメラを取付けた手術顕微鏡 (手術室2)

4階手術準備室のモニター(4分割表示)

手術映像を隣接するビルの18階の医局まで伝送し、大型モニターに表示

医局は手術室がある病院と隣接するビルの18階にあります。離れた場所になりますが、医局でも手術映像をライブで見られるようにシステムを組んでいただきました。手術の進捗状況が離れていてもわかりますし、手術室まで行かずに手術映像を見られるので、勉強の機会が増えました。教育システムとしてもとても良い設備が導入できたと思っています。
先生方も外来業務があり時間が決まっているので、ちょっと空いた時間で医局に来て手術を見られるのも効率的です。こうした要望は私からも出させていただきましたが、実際に離れた医局でも容易に見られるシステムを構築することができ大変満足しています。

手術室の映像は録画され、自分の手術映像を医局に持ってきて、他の方に意見を求めたり、指導医の先生からアドバイスをもらったりしています。指導医も、初めて手術をする若い先生には自身の手術映像を見せてイメージを付けてもらっています。「口で言うより見た方が早いぞ」みたいなところがあり、ここでも池上カメラの映像が役立っています。

患者さまへの思いから、いち早く取り組んだユニバーサルデザイン

今ではユニバーサルデザインに取り組んでいる病院は増えましたが、当院ではいち早く取り組みました。以前は、患者さまが予想よりも増えて手狭となり、周辺にクリニックを作ったりして外来と手術・入院する機能等が分散していました。ちょうど100周年を迎える時に、将来のことを考えて父から言われ、その利便性向上に着手し、外来部門を現在のビルの18、19、20階に統合して「お茶の水・井上眼科クリニック」として集約しました。さまざまな方に相談し、お力添えをいただく中で、患者さまに使いやすい病院にするべきと私が主張したところ、それはユニバーサルデザインの考え方ですと設計士の方から言われました。


ユニバーサルデザイン: 目の見えにくい方でもわかりやすいサイン表示を工夫
  • 濃い背景色に、文字は白で大きく表示!
    背景が白の案内表示はまぶしさを感じて文字が読みにくくなる
  • 患者さまへの調査で、もっとも見やすかったゴシック系の書体を使用!
     「おれんじ」「みどり」等の色の名前は文字情報でも表示されています。
  • 女性のピクトグラムは、よりわかりやすいものを使用!
    トイレのピクトグラムは、色の区別が難しく、判別が困難な場合もあります。

     ※ その他、井上眼科病院様のユニバーサルデザインへの取り組みはこちら

        https://www.inouye-eye.or.jp/hospital/about/feature/secret/


    それからユニバーサルデザインに興味を持ち、クリニック新設時の柱の一つとして取り上げました。特に、目が見えづらい方でも使いやすいという環境を作ることが眼科病院としての特長的な取り組みになったと思います。我々医療スタッフだけで考えていても不十分と考え、患者さまにアンケートを取ったり、実証実験したりしました。それにより自分たちが思っていたこととの違いを見いだすことや新しい知見を得ることができました。結果的に患者さまのためになったと思いますし、参加した多くの部門のスタッフが一丸となって一つのものをつくりあげる喜びも知ることができました。その後、西葛西・大宮・札幌にある関連病院・クリニックへとユニバーサルデザインの考えを展開していきました。患者さまのことを考え、早期に眼科病院としてのユニバーサルデザインを取り入れたことが当院の特長になりました。

    眼科専門病院としての新たな試み

    眼科医療技術もどんどん進歩していますので、最先端の医療を取り入れるようにしています。最近、保険適用となった角膜移植の治療やお子さんの近視を抑制する点眼薬での治療等、あらゆる年代の方に恩恵がある医療を取り入れるようにしています。 数年前から、当院グループの西葛西・井上眼科病院では運転外来を開設しました。院内にドライビングシミュレーターを設置しており、患者さまに体験してもらいます。運転中の目の動きや、左右からの飛び出しに対する反応など視野と運転能力との関係を評価します。日本初の試みということで、それに取り組まれている先生を中心にやっています。

    私は緑内障という病気を専門にしていますが、治らない病気なので、ロービジョンケアを大切にしています。なるべく本人が持っている視機能を最大限に生かせるよう治療をしつつ、拡大鏡や拡大読書器で白黒反転して読むとか、最近はスマホにいろいろな機能がついているので、それらを紹介することで生活が改善されるよう力を入れています。あらゆることを患者さまのために提供していきたいと考えています。

    これからの医療、池上通信機に期待すること

    最近の医療の進歩は早いので、新しいものをどんどん取り入れていきたいなと思っていますが、これからの医療はAIの時代が来ると私は思っています。どう活用していくかは一つのテーマだと思いますが、上手にそれを使いこなすことが患者さまのためにもなるでしょう。


    受付会計ロビー
    各フロアーでは導線を考えて、通路部分に足裏の感触でもわかる
    菱形のタイルを埋め込み順路をお知らせしています。
    濃いグレーの床は落とし物も探しやすく、
    ゾーン毎で床模様を変える工夫もされています。

    患者さまから多い要望の一つが待ち時間の改善です。
    その改善として導線を検討する際に、どこで待ち時間が発生し、何が負担になるのか、実際に職員が院内を目視してカウントしたことがあります。院内状況確認用のカメラとAIを組み合わせて、混雑状況や人の流れなどを把握して待ち時間対策につながるといいですね。池上さんからそんな提案をいただけるとありがたいです。


    医療法人社団済安堂 井上眼科病院グループ 理事長

    医療法人社団済安堂 井上眼科病院 院長

    井上 賢治 様

    1993年 千葉大学医学部 卒業
    1998年 東京大学医学部大学院 卒業
    1999年 東京大学医学部附属 病院分院眼科 医局長
    2000年 医療法人社団蛍水会 名戸ヶ谷病院眼科 部長
    2002年 医療法人社団済安堂 井上眼科病院附属 お茶の水・眼科クリニック 院長
    2008年 医療法人社団済安堂 理事長
    2012年 医療法人社団済安堂 井上眼科病院 院長

    日本眼科学会認定眼科専門医
    医学博士

    日本眼科医会 常任理事
    東京都眼科医会 副会長
    日本緑内障学会 評議員
    日本ロービジョン学会 理事
    公益財団法人日本盲導犬協会 理事

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