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放送

2023.09.15

中国の中央広播電視総台様がベンダーニュートラルなIPシステムを構築

~UHK-430 4K/HDカメラシステムのIP化で貢献~

池上通信機株式会社は、中華人民共和国(以下中国)の公共放送機構である中央広播電視総台(China Media Group, 以下CMG)様の「UHK-430」4K/HDポータブルカメラシステムをIP対応にアップグレードいたしました。2023年4月の納入以降、順調に運用されています。

 

 CMG様は、2018年に中国中央電視台(CCTV)様、中国国際電視台様、中央人民広播電台様と中国国際広播電台様を合併して設立された中国の公共放送機構です。CMG様のエンターテインメント・スタジオのIP運用を開始するため、運用中の当社製4K/HDポータブルカメラシステム「UHK-430」26式に新たにMedia-over-IPインターフェースによるアップグレードを行いました。このアップグレードにより、SDIベースのスタジオ・インフラが柔軟で効率的なIPベースのシステムに生まれ変わりました。

 中国北京にあるCMG様が「UHK-430」を導入したのは2019年のことでした。この決定は将来を見据えた投資であり、「UHK-430」がIPアップグレードに対応していることが機種選択の大きな要因の1つとなりました。今回のアップグレードは、プロジェクト全体に強い影響力を持つ特定のメーカーに依存せざるを得なかった以前のケースとは異なり、多様なメーカー機器で構成されるベンダーニュートラルな完全IPベースの放送システムを構築するという、中国でも画期的で先駆的なプロジェクトとなりました。

 アップグレードプロジェクトの開始当初、池上製品をはじめとする複数メーカーの間でどの程度互換性が確保できているのかがCMG様にとって大きな懸念点でした。しかし、SMPTE ST2110*1とST2022-7*2規格の下で、さまざまなメーカーの機器がシームレスにつながり、相互リンクできることが明らかになりました。非圧縮ビデオ、オーディオなど補助データの膨大なパケットの処理は、SMPTE ST2059*3で定義されたPTP(Precision Time Protocol)技術によって完璧に同期されます。SMPTE ST2110/ST2022-7/ST2059、AMWA NMOS*4のようなオープンスタンダードへの完全準拠は、すべての関連製品をシームレスに統合します。

 CMG様ではスタジオE02/E03のIP化を完了し、番組の送出を開始しました。E02/E03スタジオは主にエンターテイメント番組の制作に使われており、近い将来E01スタジオもこの近代化を行う予定です。
CMG様はIPベースのシステムの利点をフルに活用し、番組制作のさまざまな目的、規模、構成にスタジオ設備を適応させ、スタジオの運用性を大きく向上させました。

「技術」のチカラで、あなたをしあわせに。- 池上通信機はこれからもお客様のニーズにこたえる製品開発と保守サービスを提供し続けることで業界の発展に貢献してまいります。

*1 SMPTE ST2110: ビデオ信号をIPネットワークで伝送する標準規格。

 映像データ、音声データ、補助データの三種をばらばらにパケット化して送る。

*2 SMPTE ST2022-7: デジタル映像をIPネットワーク上で伝送するときの規格で複数の伝送路で送ったとき、
 それぞれ遅延時間の異なる伝送路を受け側でシームレスに切り替えられるようにした規定

*3 SMPTE ST2059: IP ネットワーク上での時刻・メディア同期のプロトコル

*4 AMWA NMOS: IP 放送で使用する標準的な管理・制御の規格

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