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メディカル

2021.01.22

せん歯科医院 様

歯科医療でのマイクロサージェリーを支える高画質映像システム
次世代へつなげる歯科医術の指導・継承にも活用

 「国際海の手文化都市」をスローガンに「交流人口」の増加、「また来てもらえる街」をめざしている横須賀市は、東京湾の出入り口に位置し、太平洋に向かって大きく開かれた緑豊かな自然に囲まれた街です。歴史的にも日本の近代化が始まった先進的な街という印象を持たれる方も少なくないでしょう。
そのような横須賀市の北久里浜駅ロータリに面するせん歯科医院様は、駅から徒歩0分という好立地にあります。

 マイクロスコープを用いたインプラント治療分野において第一人者である医院長の千 栄寿 先生は、地域に根付いた総合的な歯科医院としてせん歯科医院を開業されました。1994年の開業当初から手術室を完備されインプラント治療(人工歯根治療)に取り組まれています。

 せん歯科医院様は、2005年にマイクロスコープを導入された際に池上製SDカメラである3CCDカメラMKC-507を導入いただいております。この度は、より鮮明で明るい映像を求めて3CMOSフルHDカメラMKC-700HDへ更新いただきました。

 医院長 千 栄寿 先生に、開院時からの手術室完備、マイクロスコープとビデオカメラの導入、ビデオ映像の利用状況などのお話を伺いました。

せん歯科医院の開院と開院時から手術室を完備されたことについて、お聞かせ下さい。

 手術室は開院当初から考えていました。今のような規模のものではないのですが、デンタルチェアを置いた個室としていました。

中学3年生の時に新聞でデンタル・インプラントの記事を読み、患者さんが長年自分で食べていくために、こんなにいい治療方法があるのかと強い印象を持ちました。自分がやりたいことが医師や歯科医師だったので、中学3年で進路を考えだした時に、歯科医師の中でもインプラントに取り組むことを将来像として描きはじめました。またインプラントに取り組むために歯科医院でも手術室は必要になるだろうと考えており、28歳での開院でしたが手術室を最初から完備しました。

その後今のような最新鋭のマイクロスコープや歯科用機器を整えた手術室へと刷新されています。とても明るく開放的な感じの手術室ですね。

 ドイツでみた手術室が印象に残っています。フライブルク大学で手術室の中に入り上顎洞挙上手術に立ち会うことができました。

20名も入れる手術室で、クレーンカメラでライブサージェリーを撮影していました。外科医達が行っている手術室のセットアップやチームワークで手術を進める姿の残像があり、現在の整った手術室を作り上げました。手術室としての環境を保てるよう二重化した窓を設置しており、外光を取り入れたり患者さんのご家族が窓越しに見学したりします。

マイクロスコープとビデオカメラシステムの導入についてお聞かせ下さい。

 インプラントを学んでいた恩師からこれからはマイクロスコープを使った治療も有効になってくるという話をいただき、2004年より勉強を開始しました。
最初は自分が描いていたインプラントを行う口腔外科医のイメージとは少し違うように感じていましたが、いざマイクロスコープを使ってみると、拡大視野下で口腔内がより鮮明に見えました。今では脳がマイクロスコープを通した立体視像をはっきり記憶しています。マイクロスコープは医院内のすべてのデンタルチェアに設置しており、すべてのスタッフがマイクロスコープの拡大視野を理解しています。当医院の新任スタッフはマイクロスコープのセッティングを覚えることが最初の仕事です。

 2005年に手術室へマイクロスコープを導入した際に池上製SDカメラMKC-507とモニタのシステムを導入しました。当時歯科医の多くはフイルムカメラで撮影していましたが、その場で写真を確認できるわけではなく、現像しても思うような写真が取れていないことがありました。丁度市場に出てきたデジカメや秋葉原で売っているようなビデオカメラなどいろいろ試しましたが、なかなか求める映像は得られませんでした。そんな時に池上製カメラを知りました。高価ではあるが、明るく口腔内映像撮影で必要とされる被写界深度も取れました。色再現については歯科医が頭の中で描いている血液の色なども調整してもらい、歯科医療分野で通用する色再現ができるようになりました。

このように色調整が容易なところも池上製カメラの特徴だと思います。

ビデオカメラの映像はどのように使用されていますか。

 マイクロサージェリーでは、術者の視野を他のスタッフと共有するためにビデオカメラシステムは無くてはならないものになっています。記録した手術映像は、患者さんやご家族への説明の際にお見せします。学会での発表や教育にも役立てています。私はインプラントやマイクロサージェリ―を学んだ恩師から多くのことを親身に教わりましたが、そのご恩は教わったことや身につけたものを次の世代へ指導し、継承していくことだといわれています。実習コースで講師を務めたり講演を行ったりしているのは、そのご恩返しでもあると思っています。

このような活動を続けていく中で、ビデオ映像はとても有効です。マイクロスコープを通した特殊な拡大視野を、マイクロスコープを覗かなくても伝えることができます。学会などでの発表や講演会では、皆さんが驚くような鮮明な映像で見せ、印象を深めてもらいたいと思っています。
教わった歯科医術をさらに次の代へとつないでいくために、いずれは医学書として残したいと思っています。そこには映像を見るためのリンク先も記載して、映像でも伝えていきます。

今回ビデオカメラシステムの更新により、どのようなことを望まれていましたか?

 最初に導入したカメラはSDカメラでした。今回はより高精細で明るいHDカメラであるMKC-700HDを導入することにより、マイクロスコープの拡大視野を、より明るく鮮明な映像で再現したいと思っていました。最初にMKC-700HDの映像を見た時は明るく鮮明ではあるのですが、奥行きのある口腔内を見ているマイクロスコープでの立体視と比べると、ビデオ映像では奥行に不足を感じました。オートアイリスのカメラアダプタを構成に加え、さらに調整を加えてもらうことにより被写界深度はとても広がり、今では自分が実際に見ている拡大視野よりもビデオ映像の方が被写界深度を深くとらえていると感じています。

被写界深度を広げるCFA-400R 4K対応手術顕微鏡用カメラアダプタ
  • カメラヘッドをマイクロスコープへ取付けるアダプタ
  • オートアイリスを採用
    光学絞り機構により明るさを適切に調整し、術野で求められる被写界深度の深い映像再現を可能にする。
  • リモートコントローラーによるフォーカス調整が可能

 手術室でのビデオ映像はCCU(カメラ コントロール ユニット)に繋いだUSB-HDD等のUSBストレージに記録しています。さらに院内のネットワーク経由でPCへ取り込みできるので、患者さんへの説明や学会発表用の映像準備も容易です。以前はオプションでしたが、MKC-700HDは標準装備されているのでありがたいです。

今回のビデオカメラシステムの更新では、手術室の大型モニタも70型モニタへ更新されました。

 マイクロスコープに手術をアシストするスタッフ用の側視鏡を付けていますが、大勢で側視鏡を覗くことはできません。他のスタッフは手術室のビデオ映像を通して手術の進行状況を共有しています。また手術室は窓越しに外側から見学できるようにしており、患者さんのご家族もそこから見学できます。他の歯科医が手術見学に来るときは、同行のスタッフが窓越しに見学をしたりもします。大型のモニタは窓越しでもマイクロスコープの映像が良く見えるので好評です。マイクロサージェリーはまだまだマイノリティですので、オープンに手術の見学を受け入れたり、手術映像を使って発表したりして、その普及に努めています。

こうした活動にビデオ映像は欠かせないものになっています。インプラントの普及と共に歯科医術やそれに伴う機材も進化していますが、当医院でも今後はマイクロスコープを最新のものへ更新する予定があります。池上には継続的に最新機器に適した映像機器と、その性能を最大限に引き出すサポートを期待しています。

導入機器構成

 手術室のマイクロスコープに取り付けられたカメラ映像は、手術室内のモニタ類で表示されるとともに、カメラ コントロール ユニットに取り付けられたUSB-HDD等のUSBストレージに記録されます。この手術室ビデオカメラシステムと診療室のマイクロスコープに取り付けられたカメラシステムで記録された映像は、デジタル院内LANで共有され、患者情報とともに保管されます。

手術室ビデオカメラシステム

  • MKC-700HDカメラヘッド & CFA-400R カメラアダプタ
    小型カメラヘッドをマイクロスコープに取り付け
    カメラケーブルで壁埋設コネクターパネルを通して
    カメラ コントロール ユニットへ接続

  • MKC-700HD CCUカメラ コントロール ユニット
    棚置きしたカメラ コントロール ユニットは
    USBストレージを接続し動画記録、院内ネットワーク
    を経由してPCへ動画を取り込む

    • 70型液晶モニタ
      ステンレスフレームパネル、AVパネル
    • MLM-1910C 19型液晶モニタ
      色調整し、画出しのリファレンスモニタとしてい

      診療室ビデオカメラシステム

      • MKC-507 カメラシステム
        手術室より診療室のマイクロスコープへ移設
        小型モニタで表示

      医院長 千 栄寿 先生

      1994 横須賀で開院 

      2005 マイクロスコープ 導入応用開始

      2007 マイクロサージェリーに適した手術室を新設、デジタル院内LAN構築

      2016 全診療ユニットにてマイクロスコープ完備

       
      せん歯科医院 (http://www.sen-implant.com)


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