メディカル
2018.02.05
脳神経外科医 福島孝徳 先生
Ikegamiのカメラ技術の素晴らしさについて語る
2018年1月12日「Carolina Neuroscience Institute」にて当社取締役 樫村より脳神経外科医福島孝徳先生に当社カメラについて伺いました。
樫村:先生と当社とのつながりはとても長いと伺っています。どのようなきっかけからでしょうか。
福島先生 池上を語る
(左:池上 樫村、右:福島先生)
福島先生:
1978年に私が海外での勤務を終え日本に戻ってからですから、もうかれこれ40年来の付き合いになります。当時私が戻った病院では“単管式”と呼ばれる撮像管を一本採用したカメラを顕微鏡用カメラとして使用していました。その当時から私は常々、自身の手術技術を高性能なカメラで撮影し、日本一、世界一の手術映像を世に広めたいと思っておりました。調べたところ、池上が当時手術顕微鏡用途に撮像管を三本使用し製品化していた医療用カメラMKCシリーズと出会い、務めていた病院にすぐに掛け合いカメラを購入しました。
樫村:最も印象的な当社との関わりをお聞かせ下さい。
福島先生:
やはりなんといっても初めて池上の三管式のカメラの映像を見たときではないでしょうか。“綺麗”という印象が残っています。特に赤の再現性が非常に素晴らしく、学会発表の時に池上のカメラを使用した手術映像を発表した際には私の手術技術も相まって会場が静まり返ったことを鮮明に記憶しています。当時私が考案した術式である鍵穴式手術(ダイムサージャリー)の*撮影を支えてくれました。私の画期的な手術手法が鮮明に収録されたビデオを見たアメリカの教授が来日し、実際の手術を見学に来たほどです。
福島先生と池上の出会いとなった三管式カメラ
3DカメラLKシリーズ
アームに2台の小型カメラヘッド(銀色)を搭載
その後も池上の開発責任者の方と意見交換等を行い、開発された3DカメラLKシリーズで撮影した立体感溢れる映像を学会で使ったことを良く憶えています。医療3D映像の先駆けとなったのではないでしょうか。
*福島式鍵穴手術とは:脳外科手術で必要な開頭の範囲を最小限にとどめ、患者様の身体的な負担とリスクをおさえる術式です。
樫村:当社の製品についてどのような感想をお持ちでしょうか。
福島先生:
今は池上のフルHDカメラを使用していますが、感度や色再現性、なかでも赤の色再現性に非常に満足しています。ひょんなことから他社の4Kカメラと比較をすることがあったのですが、HDカメラであるにも関わらず池上の映像の方が圧倒的に良かったと感じましたね。 また、何かあれば飛んで来てくれる小回りの良さなどソフト面でのアフターサービスも池上の良いところと思います。
手術用顕微鏡にMKC-500HDを搭載
フルHDカメラ MKC-500HD
樫村:当社では現在8K/4Kカメラ開発に注力しておりますが、今後、映像機器が脳神経外科の手術にどのような貢献ができるか、また、未来の映像機器に期待する事をお聞かせ下さい。
高解像4Kカメラ MKC-750UHD
福島先生:
高解像度なカメラを期待しています。フル HDの先、4K、さらには8Kと高精細化の技術を追求していくことでさらなる医療の発展に寄与して欲しいと考えています。
~最後に福島先生から池上通信機にメッセージを頂きました~
「やはり池上の真髄は放送用カメラです。映像のプロフェッショナルとして、高品質が求められる放送用カメラでも、確固たる存在感を示し続けて欲しい。そして、メディカル市場では、4Kの推進など高精細化を追求し医療分野でもその技術力を遺憾なく発揮していただきたい。開発力と革新的なアイディアを駆使するところが池上の良いところだと思います。他社よりも良いものを製作するということを追求し、“日本一、世界一のモノづくり”を行って、全世界に発信していただきたい。」
福島孝徳 先生 経歴
- 1942年 東京都生まれ。
- 1968年 東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院脳神経外科臨床・研究医員に。研修医1年目にして世界初の脳内視鏡、手術用ファイバーエンドスコープを開発し世界の注目を浴びる(26歳)。
- ドイツのベルリン自由大学Steglitzクリニック脳神経外科研究フェロー(2年間)、米国メイヨー・クリニック脳神経外科臨床・研究フェロー(3年間)を経て、1978年から東京大学医学部附属病院脳神経外科助手、1980年から三井記念病院脳神経外科部長を勤め、頭蓋底の鍵穴手術法を確立。
- 1989年~1990年 ロサンゼルスUCLA脳神経外科にて頭蓋底手術プログラムを開設。
- 1991年 南カリフォルニア大学医療センター脳神経外科教授に就任。米国永住を決意。
- 1994年 ペンシルバニア医科大学アルゲニー総合病院脳神経外科教授、アルゲニー脳神経研究所頭蓋底手術センター所長を歴任。手術や講義のために世界を駆け巡りながら、後進のため頭蓋底手術実習セミナーを開催。
- 1998年 カロライナ頭蓋底手術センター所長およびデューク大学脳神経外科教授に。
現在、カロライナ脳神経研究所、デューク大学とウエスト・ヴァージニア大学の教授を勤め、脳神経外科顕微鏡手術の「全米トップの権威」と評される。スウェーデンのカロリンスカ研究所、フランス・マルセイユ大学の教授、イタリア・ローマ大学、ドイツ・フランクフルト大学の客員教授も兼任する。
* 経歴:脳神経外科医 福島孝徳 公式サイト(http://dr-fukushima.com/)より引用
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