メディカル
2019.09.26
慶友会 慶友整形外科病院様 - 群馬県館林市
手術室映像を多角的に活用。
術野映像の可視化と術場映像の共有化で、医療スタッフの配置や動線の最適化を実現。
慶友会様は、「まごころをこめて整形外科専門病院として安全で質の高い医療を行なうとともに地域の健康向上に寄与する」ことを理念に掲げ、1979年4月、宇沢充圭理事長が宇沢整形外科を館林に開設したことに始まります。
手術件数が大幅に増加する中、創立40周年を迎えられたのを機に2019年3月3日に慶友整形外科病院を新築移転され、手術室を5部屋に増設するとともに最新の医療機器・検査機器も導入され、整形外科に特化した専門病院として更なる高度医療を実現する環境を整えました。池上は、新築移転に際し、セントラルユニ様のご協力を経て、5つの手術室映像を多角的に活用できる最新の映像システムを提案。旧病院の手術室(3部屋)でも同様の映像システムを導入して頂き、その利便性を評価して頂いていることもあり、今回の採用に至りました。
慶友会
・慶友整形外科病院・慶友整形外科クリニック
・宇沢整形外科
・慶友検診センター
執刀した伊藤名誉病院長のオブジェが掲載紙とともに飾られている
最新の映像システムの効果、以前のシステムとの違い等について、手術室師長の高橋昌也様からお話を伺いました。
慶友整形外科病院の概要についてお話を伺わせてください。
当病院は、整形外科に特化した2次救急(手術)と入院施設専用の病院として運営されています。手術室は今までの3部屋から5部屋に増設されました。年間の手術数は約3400件あり、スタッフ30名で対応しています。スポーツドクターをしている医師も多数在籍しており、少年や実業団等から上肢、膝の手術のため訪れる患者様もいらっしゃいます。
手術室が5部屋となると、個々の対応が難しいと思うのですが。
私の仕事は主に手術予定とスタッフの管理になります。つまり、手術の進行を確認して、スタッフが無理なく、効率的に動くための監視、指示を出しています。そのため、手術室全てを映像で確認できることは重要です。しかし、手術室の状況を確認する必要があるのは私だけではありません。例えば、麻酔医は他の手術状況を常にチェックするとともにリカバリー室の確認も怠りません。状況に合わせて流動的に動きます。
オペを行なう医師にとっても、この映像システムは有効なのでしょうか。
一口に整形といっても上肢、下肢、脊椎など様々な部位があり、各医師は特に卓越した医療技術を有する分野を持っています。例えば、上肢の手術が重なり隣のオペルームでも同部位の施術が行なわれている場合、問題なく進行しているかどうかを医師が瞬時に確認できることは、とても有効です。
従来のシステムと比較して、いかがでしょうか。
今までの病院(現在は、外来専門の慶友整形外科クリニックに改築)でも池上の映像モニタリングシステムは設置され、その効果は十分に判っていました。当時は、手術室3部屋と術後観察室をモニタリングしていたのですが、各部屋でそれぞれPCを立ち上げなければならず煩雑でした。今は、簡単なスイッチ操作で各部屋の映像が配信される一括集中管理なので大変便利になりました。また、各部屋毎に術野の動画記録ができるというのも魅力です。映像記録は、勉強用や学会発表用として重要なのですが、今までは記録用の別PCを運搬し記録していたのです。立ち上げも面倒ですし、一部屋で使用すると他の部屋では使えないというデメリットもありました。
本システムを非常にご評価頂き、嬉しい限りです。
何か、当社にご要望等はありますでしょうか。
新病院のスタッフが患者様のご様子を確認し、効率的に動くことのできる最良のシステムであると感じています。ただ、手術室が5部屋に増えたため、スタッフが他の手術室に移動するため機材展開スペースに出ると動きが把握しにくいということも判りました。今後のことになりますが、もしその点を解消したいということになりましたらご提案ください。
- 各手術室には術野カメラとして小型3CMOSフルHDカメラMKC-230HDが1台、オペ室全体を俯瞰するカメラとしてフルHDドーム型ネットワーク
カメラIPD-VR210を設置しています。また、術後観察室にもIPD-VR210を取り付け、術後の患者様のご容態を確認できるシステムとしています。
- 自室の術野カメラの映像は、独立して26型ワイド
液晶カラーモニタMLW-2624Cで表示。
施術の状況をオペを担当する関係スタッフ間で共有しています。
また、他の映像出力のある医療機器にも対応できるシステム構成。
内視鏡等の映像出力も表示できます。
- 各手術室に設置したラック内には術野カメラの映像を記録するメディカルデジタルビデオレコーダMDR-600HDを始め、関連機器を収納。
術野カメラのレンズ操作、配信映像の選択等が簡単なタッチパネル操作で行えます。
関連機器のスイッチをONするだけで、その手術室の映像(術野・術場)がネットワークを通じて全てのモニタに表示されます。
- 各手術室に2台の32型モニタを設置。映像表示ネットワークの中心に多彩な画面表示機能を持つネットワークレコーダINR-2000を配置し、常時起動させています。各モニタ画面を6分割表示し、術野カメラ、術場カメラの映像を上下で表示しています。全ての手術室(5部屋)の術野、術場映像だけでなく、術後の状況も把握するため、術後観察室の状況もモニタに映し出しています。
- 全手術室に出入りできるスタッフ用通路中央(機材展開スペース)には、2台の32型モニタの他、オペ中の患者様、術後観察中の患者様のバイタルデータ等も表示し、複合的な視点から患者様のご様子をリアルタイムでウオッチしています。
- 手術スタッフステーションには3台の32型モニタを設置。
全ての映像とバイタルデータ表示で状況を確認しています。
- 看護記録等をデータ管理する記録室にもモニタを設置しています。
主なシステム構成機器
- 1/3型フルHD(1920×1080) 3CMOS
- 小型カメラヘッド: W34×H40×D40mm
- 高画質: 水平1000本、S/N54dB
- 高感度: 2000lx / F14
- 高画質 - Full HD
- 簡単操作 - ワンプシュでの記録の開始 / 再生
- 高信頼性 - 最大3系等の記録システム
- ネットワーク機能 - サーバーへの画像転送(オプション)
- バリフォーカルレンズ(f=2.7~12mm)を内蔵
- 高精細フルHD出力(1920×1080)、最新のH.265コーデックを搭載
- 最低被写体照度0.005lx/F1.4 (カラー、電子感度アップ10倍、出力50%)を実現
- ワイドダイナミックレンジ機能、デイナイト機能やプライバシーマスクなど多彩な機能を搭載
- INR-2000 フルHDネットワークレコーダ
- 多彩な画面表示と簡単設定を兼ね備えたスタンドアロン運用対応モデル
- 12種類の表示パターンを搭載(16CHタイプ)
- オプションで大規模システム化にも対応