メディカル
2021.03.24
デンタルみつはし様 - 東京都世田谷区
歯科治療にいち早く「歯科用顕微鏡」を取り入れ
最先端の歯科治療撮影用に フルHDカメラ を採用
確実なインフォームド・コンセントにより患者様との信頼関係をつくり
丁寧かつ安全・安心な歯科治療をご提供
東京都世田谷区の下高井戸駅から徒歩3分の好立地にあるデンタルみつはし様。 現在、日本全国7万施設ある歯科医院で約5%の保有率である「歯科用顕微鏡」をいち早く(2000年)取り入れています。院長の三橋純先生は、日本顕微鏡歯科学会会長を務められ、 また 「顕微鏡歯科ネットワークジャパン」 の設立発起人の一人であり、 認定医でもあります。 「見える治療・見せる治療」 をコンセプトに、より高度で精密な歯科治療を提供されています。今回は、2020年12月初旬に三橋先生にお話を伺いました。
歯科での顕微鏡の有用性はどういったところでしょうか?
顕微鏡を使用する有用性は、まずはなんと言っても「見える」ということ。
口の中は、暗く狭いので、肉眼では見える範囲に限界があります。特に、根管という歯の神経部分の管の先端は、髪の毛の太さと同じであり、肉眼で見ることは不可能です。今までは手探りに近い状態で行われていたことを、顕微鏡を使うことで、良く見えるようになりました。直径1mm以下の根管を、確実に目で確認しながら治療することができるようになり、治療の成功率が飛躍的に高まりました。これが顕微鏡を使う最大のメリットです。
デンタルミラーと顕微鏡を使うことで見る部分も見え方は変わるのでしょうか?
まったく違いますね。肉眼でミラーを使って見た場合と、顕微鏡を使って見た場合と比較すると「見えている」・「見えていない」くらいの差があります。肉眼では「虫歯の穴があること」はわかりますが、虫歯がどの方向にどれくらい広がっているか、ということはよくわかりません。そこに顕微鏡を使うということは革命的なことです。ただ、これは歯科に限らす、耳鼻科だったり眼科だったり、どこの診療科でも同じことが言えます。
飛沫防止の対策を行われているようですが?
ドレープを顕微鏡につけて、患者様の顔をビニールで覆うようにしています。 今、飛沫感染を防止するためにマスクを推奨していますが、歯科治療はマスクを取って唾液が飛ぶ状態で行うことになるので、危険極まりないのです。 ドレープで覆うことにより周囲に飛散することもなくなり安全になります。治療する側・患者様側お互いに安心できる状況となりますが、これは顕微鏡だから可能な方法です。 ドレープで覆っても術野の視認には影響されないのです。また顕微鏡に取り付けた池上製カメラが綺麗だからモニタにも綺麗に表示されるので、アシスタントも映像を見ながら普段通りの治療を進められます。顕微鏡を使うことでも、口元をのぞき込むことがなく離れたところから治療が行えることでも飛沫感染防止になりますが、コロナ禍もあってこの方法を開発しました。なぜ今までこうしなかったのか、というくらい効果的です。
池上通信機製カメラとの出会いを教えていただけますか?
2000年に開院した時に、 カメラ内蔵の顕微鏡を購入しました。当時は、特に問題なく不満もありませんでしたが、根管治療の名医の診察室に行く機会があり、池上製カメラと初めて出会いました。治療の映像をビデオで頂き、自宅で再生してみると、自分の顕微鏡についているカメラ映像との違いに驚きました。 それは画面から臭いを感じるくらいの生々しい印象でした。これをきっかけに、池上製カメラを取り付けられる顕微鏡を探し回り、日本では販売前の この顕微鏡をデンタルショーで見つけて気に入り、池上製カメラとともに日本第1号機を購入しました。
歯科で頻度の高い「削る」ことについて、顕微鏡を使うことで変わりましたか?
肉眼での時は、 実際には正確に削れていたわけでは無いのです。例えば奥歯であれば、 虫歯があるなと思ったら、切削器具を入れて感覚で削った後に、「どうかな?まだ残っているかな?」と確認してまた削る、という感じで、少しずつ探りながら削っていました。 顕微鏡を使うことによって、虫歯と切削器具の立体的な位置関係を見ながら削ることが可能になったため、必要のないところを削ることはなくなりました。
患者様としても安心ですね
先日、セカンドオピニオンで当院に来られた患者様ですが、仮のふたを取って、虫歯を染め出す薬で調べてみると、まだ多くの虫歯が残っている状態でした。それくらいの差が出ます。奥歯は一番見えにくいので、同じ歯科治療といっても、まったく違う治療を行っているといっても良いくらいです。治療映像を患者さんに見てもらうだけでも、信頼関係が変わります。顕微鏡だから正確に削れる。 治療には時間が掛かりますが、隣の歯と接触している部分でも必要な部分だけ削ることができる。 顕微鏡があっても技術が無ければできませんが、顕微鏡が無ければこうはいきません。治療中に映像をお見せすると、 患者様からは「すごい!顕微鏡って!」っと驚きの声が。でも、そう感じて頂けたのは、池上製カメラが綺麗だからです。 今はハイビジョン映像は当たり前で、患者様もテレビで綺麗な映像を見慣れていますから、モヤッとした映像を見せてもピンとこないと思います。今、昔の録画映像を見ると「古いな」と思いますね。 画質は時代に合わせてアップデートしてゆくべきと思います。
顕微鏡操作用に特製のジョイスティックフットペダルを使われていますが?
そう、このフットペダルが大事です。 顕微鏡純正のものはかなり大型で、歯科診療には向いていないと感じました。足元には他の機器・操作を行うフットペダルをいろいろ使っているので、 それに合わせて作ったのがこれです。ゲーム用ジョイスティック を利用したのですが、これが大正解!操作しやすいようにこんな靴も履いています。椅子も座面の長い椅子を使用してかかとを浮かします。かかとを床につけると、 左右 と 上側には倒しやすいのですが下側に倒すのがやりにくい。そうなるとこのようなスタイルになります。 顕微鏡を中心にした一体システムですね。フットペダルを使えなければ、 顕微鏡の倍率・フォーカスを変えようとするときに、手を使わなければならないので、治療を中断することになります。 かと言って、調整をしないで治療を続けると、倍率・フォーカスが合っていないままに治療を進めることになってしまいます。今後は歯科でもズーム・フォーカス機能がある顕微鏡の使用を広めていきたいと考えています。フットペダルは床埋め込み式に改装し、さらに操作をしやすくしました。配線類も床下に収納しフラットにし、埃対策・見た目を良くしました。
歯科用映像の録画・プレゼンテーション用システム・CT画像
治療椅子の脇には説明用のモニタが設置されていますが?
映像の録画・プレゼンテーション用システムを 歯科専用機器としてメーカーに作ってもらいました。 患者様に治療状況のプレゼンテーションが簡単に短時間で行えます。普通のパソコンやハードディスクレコーダーで録画し マウスで操作しますと、「えーっと、どこだっけ?」的になってスムーズにいかないこともありますが、専用機器は患者様へのプレゼンの流れに沿っているので、それがありません。こうした部分でも、患者様との関係を良くすることができるので、治療費用とかの面にも違いが出てきます。その源になる池上製カメラ の画質が良くて、操作性もスマートになり、患者様への説得力が増すのです。もちろん治療が上手くいかなければ意味がないですが。ただし、この専用装置ではハードディスクの容量に限界があるため、 毎回の録画は 必要なところだけ数分にしています。そのため、別のDVDレコーダーでもノーカットで録画・録音をしています。歯科の治療はすぐに結果が出ません。5年・10年して何らかの問題が生じたときに、なにか不備が無かったか? と過去の録画を見直して分析して、治療法の改善に役立てています。
顕微鏡をまだ導入していない先生にご覧頂きそのメリットを伝え導入を促すことができますね
顕微鏡を使っている先生同士で映像を見せ合うことにより、技能の向上にもつながります。また、日本顕微鏡歯科学会では、顕微鏡歯科の認定医制度があり、試験では顕微鏡で治療している映像を提出してもらい評価しています。
今後の4K/8Kなど池上映像製品への期待や展望などありますでしょうか?
患者さんにご説明するという意味では、今はフルハイビジョンレベルで十分だと思います。セミナー等でも画質が4Kでなければ見えないということでもないですね。私の講演はiPadだけで行っていますが、4K・8Kになると簡単には出来なくなるのではないかと少し心配しています。
今後、歯科に掛かる際には?
歯は悪くなることはあっても自然治癒することは あまりないですから、まずは 早めに適切な診断と治療を受けることが大事です。
最初にきちんと顕微鏡で治療して、その後は継続してケア(メンテナンス)していくことが大事です。
院長 三橋 純 先生 プロフィール
1989年 新潟大学歯学部 卒業
1989年 東京歯科研究会 勤務
1992年 新潟市 三橋歯科医院 勤務
1998年 東京都大田区 荒木歯科医院 勤務
2000年 東京都世田谷区 デンタルみつはし 開業
2006年 日本顕微鏡歯科学会 理事
日本顕微鏡歯科学会 前会長
認定指導医
日本大学客員教授