メディカル
2021.09.29
株式会社 東京歯材社 様 - 東京都台東区
「もっといい治療」を提供したいという歯科医療に携わる人たちの思いを
メーカーにつなぎ、製品という形でご提供
今年で創業60周年を迎えられた株式会社東京歯材社(以下、東京歯材社)様は、歯科業界において「こんなものがあったら、もっといい治療ができるのに…」という思いを作り手につなぎ、形にして歯科治療の現場へお届けされています。東京の下町にある谷中の本社には、最新の顕微鏡を取り揃えたトレーニングルームを設置され、歯科治療での顕微鏡普及に努められています。2020年5月には、その顕微鏡用に池上製4Kカメラをご導入いただきましたので、東京歯材社様での取り組みや、現在どのようにご使用いただいているかなどのお話しを、代表取締役社長の 吉田 一郎 様に伺いました。
歯科治療用顕微鏡の販売はいつ頃から取り組まれていますか?
株式会社東京歯材社 社長 吉田 一郎 様
1990年頃から、アメリカでは根管治療に顕微鏡を使用しており、非常に有効だとある歯科医から聞きました。調べてみると根管治療に限らずいろいろな歯科治療に顕微鏡が使われ始めたことを知り、実際に歯科医の発表を聞くためにアメリカの学会まで出向きました。展示会へも訪問し顕微鏡を用いた治療の調査をすることにより日本での普及の可能性を感じ、スタートしました。
最初は、ZEISS製の眼科用顕微鏡を仕入れて歯科用に取り扱いを開始しました。現在は、歯科用として三鷹光機製の最高級機からLABOMED製までの中級機、普及機と一通り揃えて販売しています。
顕微鏡を配備したトレーニングルームまで作られセミナーも開かれていますね。
顕微鏡の拡大視野下では精度の高い治療ができます。細部まで見えるから自然と手が動くようになります。ただし、顕微鏡を使うにはトレーニングが必要となります。そのためにトレーニングルームを作りました。著名な歯科医のセミナーなどにも提供し、受講者の技術向上と顕微鏡普及のために活用しています。
顕微鏡を使う歯科医は、カメラを使って映像を残します。患者様へはその映像を見せながら治療を説明します。治療の記録や症例検討会や学会発表に使うドキュメンテーションとすることもできるのです。
株式会社東京歯材社 様 本社
池上通信機を知ったきっかけは?
最初は、池上製カメラを顕微鏡に取り付けて使用していることを顕微鏡メーカーより聞きました。池上という名前はこの時初めて知りましたが、放送局で使われているカメラだと聞きました。
医療分野では、綺麗な映像というよりは真実に近い映像を追い求めております。顕微鏡を通した色をそのまま再現するのはどのカメラも難しいものですが、池上製カメラは本物に近い映像を出しているという印象を持ちました。民生用のカメラでは綺麗に映り健康的にみえますが、歯茎とか歯の状態が良くなければ良くないように映ることも大切です。その点で、池上製カメラは信頼性と再現性が高いと感じており、みなさんにお勧めしています。
顕微鏡に取り付けたMKC-750UHDのカメラヘッド
昨年ご購⼊いただいた4Kカメラはどのように使⽤されていますか︖
トレーニングルームで開催されるセミナー
MKC-750UHDを2台購入し、デモ用に1台とトレーニングルームの最新鋭・最高級の顕微鏡である三鷹光器製ELTANISに1台を取り付けて使用しています。4Kは、まだ周辺機器も十分ではなく、大きな録画容量は転送にも時間がかかるため時期尚早と思っています。しかしこのトレーニングルームのように歯科医としての技術を披露いただくこともある場所では、少しでも良い映像でお見せしたいのです。高価な三鷹光器製顕微鏡を導入しているので、安いカメラを付けてしまうと顕微鏡の良さが出ません。池上製カメラが付いていると「やっぱりいいね」と言われます。解像度が高い一方で明るさはまだ足りないと思いますが、池上のエンジニアが来社してカメラだけでなくモニターまで調整してくれたのでとても良い映像になりました。
歯科医の方には、このトレーニングルームで4Kカメラを使っていただいて「綺麗だね」とか、「細かいね」とかとインパクトを持ってもらいたいと思っています。顕微鏡がいくら良くてもカメラが良くないとがっかりします。4Kはまだ高価ですが、それだけの価値はあります。
セミナーで顕微鏡の操作を説明される 吉田 一郎 社長
本日セミナー講師をつとめられている 千 栄寿 様の医院では歯科衛生士の方も顕微鏡を使用されていますね。
主に歯科医が治療用に使用していることが多いと思いますが、歯科衛生士も使うために何台も所有している医院もあります。歯科衛生士が、拡大視野下で歯石を取ったり歯垢を取ったりすると仕事がより精密になります。顕微鏡を使うことで、より丁寧になり、予防的な効果も高まります。このような顕微鏡使用の有効性を広げるべく日々努力しています。
施術前と後の映像を見せるとはっきりわかり「こんなに綺麗になった」と患者様に感謝されたり「フロスをやらなければ」と患者様の動機づけに繋がります。それは歯科衛生士にとっても働き甲斐になるのです。主に歯科医が治療用に使用していることが多いと思いますが、歯科衛生士も使うために何台も所有している医院もあります。歯科衛生士が、拡大視野下で歯石を取ったり歯垢を取ったりすると仕事がより精密になります。顕微鏡を使うことで、より丁寧になり、予防的な効果も高まります。このような顕微鏡使用の有効性を広げるべく日々努力しています。
施術前と後の映像を見せるとはっきりわかり「こんなに綺麗になった」と患者様に感謝されたり「フロスをやらなければ」と患者様の動機づけに繋がります。それは歯科衛生士にとっても働き甲斐になるのです。
顕微鏡を使った歯科治療の第一人者であるせん歯科医院 医院長 千 栄寿 様 による実習セミナー
これからの池上通信機に期待することは?
カメラは、暗い口腔内を明るく映し出すだけではなく、映像がスッキリしていて、色再現性に余裕があるとさらにいい印象を与えるでしょう。また根管治療などでは、スイッチ一つで周囲はハレーションしても特定な箇所だけクッキリした明るい映像に切り替えられるなどの工夫があるといいですね。
立体視にも期待しています。長時間の施術で顕微鏡を覗くのは身体的なストレスを伴います。歯科診療においても3Dモニターをみて施術できると歯科医のストレス軽減にもなりますし、周りのスタッフも立体視の映像を共有できます。カメラもワイヤレス化などでケーブルが無くなり、顕微鏡と一体化すれば、取り扱いしやすくなります。
歯科医療に携わる人たちは、いつも患者様のことを考え「もっといい治療」を提供したいと思われています。それは高い精度であったり、高い品質であったり、患者様の理解を高めることであったりと、さまざまです。東京歯材社様は、このような思いを歯科業界内外のメーカーと協力して開発を行い、製品というかたちにしてご提供し、歯科治療を終えた患者様が幸せになることを、創業以来、追い求められてきました。
池上通信機は、これからもお客様の思いやニーズに応えられる製品・サービスを開発し、提供し続けることを通し、社会へ貢献します。
取材ご協力
セミナー主催 ワールドメディアメドオフィス様
セミナー講師 せん歯科医院 医院長 千 栄寿 様