メディカル
2023.03.28
医療法人いさな会 中京眼科様 – 愛知県名古屋市
「眼科医療を、もっと身近に。」
患者さんそれぞれのライフスタイルに合わせた目の健康を高水準な医療でサポート
名古屋市熱田区・名鉄神宮前駅東口から徒歩1分の距離にある中京眼科様。名鉄線をはさんだ向かい側には熱田の社が広がっています。先進の眼科医療機器を揃え、経験豊富な眼科専門医、看護師、視能訓練士が患者さんそれぞれのライフスタイルに合わせた目の健康を、高水準な医療でサポートされています。
日帰り手術の近視治療法として注目されているICL(Implantable Collamer Lens)治療法にもいち早く取り組み、ICLシニアエキスパートインストラクターの市川一夫医師をはじめ、ICL手術の執刀を認可された医師( ICLレンズ供給会社 STAAR Surgical社 による認定 )が複数在籍しています。
今回は、先進の眼科医療で使用されている当社納入機器につきまして、ICL手術や白内障手術執刀医の市川慶医師と、手術室の佐藤結城技士にお話しを伺いました。
患者さんの日常生活を崩さない
○市川慶 医師
当院は、日帰り手術にかなり力を入れています。白内障手術だけではなく、硝子体手術や緑内障手術についても、「日帰りでの手術が可能な治療については日帰りで」という方針のもと、患者さんの日常生活をなるべく崩さない形で眼科医療を提供できるよう積極的に取り組んでいます。また、眼内にコンタクトレンズを入れる近視治療法のICLにも早期から取り組んできました。若年層の方を対象にするような治療にも幅を広げて、若い方からご高齢の方まで、あらゆる年代の方に眼科医療をより身近に感じられる形で提供しています。
視力検査室
MKC-704KHD 4K出力カメラの評価
○市川慶 医師
綺麗な手術映像が撮れていると、術後に患者さんへ治療内容をわかりやすく説明できます。また、綺麗な映像データを残すことで、執刀医以外の医師が映像データを見ても、患者さんの目の状態を把握し対応しやすいというメリットもあります。
眼科用ファイリング装置(電子カルテ)に記録を残して、患者さんの過去に撮った状態と今の状態を比較する場合、カメラの画質性能が良いと患者さんの年齢による違いや症状の違いによる映り方の差がなく安定して撮影することができます。そのデータを比較提示することにより、患者さんへの説明が容易になります。
手術室の手術顕微鏡にMKC-704KHDを取付けて4K出力で録画していますが、非常に綺麗な映像をファイリング装置に送ることができています。術中の映像をしっかり確認できるため、患者さんへ術後の状態などを細かく説明するのにとても役立っています。
市川慶 医師
○佐藤結城 技士
池上さんのMKC-704KHDの4K出力映像は非常に繊細で綺麗な映像だなっていうのは自分自身も思いますし、スタッフや他の看護師等からもよく聞きます。暗いところも綺麗に映っています。市川先生も学会や講演などの発表の際にとても綺麗な映像だと評価されています。
4つの設定をメモリーできるシーンファイル機能は、非常に使い勝手が良く重宝しています。4人の先生方の好みの設定をあらかじめ入れることができて、ワンタッチですぐ切り替えられるのが良い。やっぱり使い勝手は重要ですよね。
高感度4K出力カメラ MKC-704KHD
手術映像を動画サーバーシステムでも保存
動画サーバーシステム と メディカルデジタルビデオレコーダー MDR-600HD
○佐藤結城 技士
動画サーバーシステムに録画した手術映像は、先生方が学会などの発表時によく使用されています。こちらで編集していますが、かなり綺麗な映像データを先生方にお渡しすることができます。また患者さんに説明が必要な場合も、この録画映像を使用していますが、患者さん自身も見やすくわかりやすいと思います。綺麗な映像で録画できると活用の幅が広がってきます。
現場の要望を汲み取った対応
○佐藤結城 技士
手術室は限られたスペースですが、池上さんの担当者にはいつもコンパクトに映像システム機器をまとめていただいて、とても助かっています。手術室には手術顕微鏡に取り付けたガイド機器・検査機器などいろいろありますが、それらの池上さん以外の機器から出力される画像も、液晶モニターへの表示や動画サーバーシステムへ記録できるよう対応していただきました。何かあった時もすぐ来て対応してもらっていますし、安心して使っています。
動画サーバーシステムはいろいろなスイッチャー機器を組み合わせていますが、録画端末のタッチパネル画面から切り替えできるので操作は簡単です。また、手術の常時録画用にはMDR-600HD(メディカルデジタルビデオレコーダー)を使用していますが、録画日時が自動で記録されます。今まで使用していた録画装置は人が入力するので日付を間違えてしまったことがありましたが、今はその必要もなくなり重宝しています。将来的には人が操作することなく連動できるのが理想ですね。
佐藤結城 技士
近視の予防と最新のICL治療法
○市川慶 医師
近年、近視のお子さんが増えてきていますが、近視が進むのを予防する治療方法もあります。また、近視が進んだ方については、手術などで治療することが、今後大事になってくると思っています。
近視の治療法の一つにレーシックがあります。角膜を削る手術のため、その後に白内障手術で挿入する眼内レンズを決めるのが難しいことや、白内障になって手術をするまでの間にも、角膜の厚みが戻ってくるなどで近視が進行することがあります。一方で最新の眼内コンタクトレンズを挿入するICL治療法の場合、近視が進行することがありませんので、そのメリットは大きいのではないかと考えています。
ICL手術は、有水晶体眼内レンズなので、特に水晶体を触らずに、その水晶体の前のところにレンズを入れます。白内障手術と比較して白濁したものを除去する作業がないというイメージでよいと思います。
眼内コンタクトレンズは、老眼になってきたことを感じやすく自覚しやすい面があります。実際には、眼内コンタクトレンズを入れたからといって、特に老眼になるのが早くなるわけではないですが、自覚症状としては早く感じてしまいますので、これはデメリットになるでしょうか。そういう面で、若い20代などでICL治療を受けていただいた方は、治療後に見やすい期間が長く続くことになり、これはメリットと感じていただけると思います。新しく老眼用のICLレンズも出てきており、ある程度のご年齢の方については、逆に少し近視を残すことを選択することによって、老眼をいくらか感じにくくすることもできます。患者さんごとのご要望に合わせて、カスタマイズして医療を提供しています。
高感度4K出力カメラMKC-704KHD
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今後の眼科向け医療映像への展望
○市川慶 医師
医療映像としては、当院でも使用している3D映像システムを使って手術を行うことが今後も増えてくると思います。高解像で焦点深度が取れるなどの効果により、眼内のいろいろな部位の見え方に対し映像の良さが関わってきます。いくらか目の調節機能が落ちてきた高齢の術者にはかなり有効なものと感じます。
綺麗なカメラ映像に手術部位の色調や輪郭を変化させるなど意図的に加工することで、通常の手術顕微鏡を覗いて手術を行うよりも見やすい状態を作り出すことができます。より映像のメリットを出せる製品が開発されていくことに期待しています。
医療では画像診断システムなどもありますが、特に眼科は患者さんごとに検査した画像やデータの種類が多いので、過去と現在の状態を比較できるようにしっかりと映像で残し、それにAIを活用することによって簡単に診断することが可能になる、そんな世界が来るかと思っています。
ICL患者さんラウンジ
市川慶 医師
●レーザー白内障手術、日帰り白内障手術執刀医
●ICL手術執刀医
□専門領域 白内障手術、眼形成
□資格 日本眼科学会認定眼科専門医
□学会役員 水晶体研究会世話人
□受賞 2016年 Best of JSCRS(Cataract)
Profile
2008年 愛知医科大学 医学部 卒業
2008年 社会保険中京病院(現 独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院)勤務
2010年 社会保険中京病院(現 独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院)眼科勤務
2013年 岐阜赤十字病院 眼科勤務
2019年 総合青山病院 眼科部長(中京眼科と兼任)
佐藤結城 技士
●臨床工学技士長 ●手術室室長