
株主の皆さまにおかれましては、日頃より当社事業への多大なるご理解と厚いご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
当社は2026年9月に創立80周年を迎えます。長きにわたり当社グループを支えていただいております株主の皆さまをはじめ、全てのステークホルダーの皆さまに深く感謝申し上げます。
第85期は、米国の通商政策による影響に加え、金融資本市場の変動等により、先行き不透明な状況で推移いたしました。さらに、年度後半には中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学的リスクへの懸念も高まり、経営環境の不透明感が一層強まることとなりました。
このような状況において、産業システム事業につきましては、メディカル事業で北米地域における医療用カメラの大型案件により新規OEM先への納入実績が拡大した一方、国内・欧州・中国においては医療用カメラの販売が低調に推移しました。また、セキュリティー事業では、防衛省をはじめとする官公庁向けの大型案件が寄与し、検査装置事業では医薬市場向けの外観検査装置の販売が順調に推移しました。放送システム事業につきましては、国内外で放送カメラの販売が好調に推移したほか、国内において公営競技市場や放送局向けの放送システムの大型案件を複数納入し、中継車の納入も増加しました。さらに、官公庁向けを中心にヘリコプター電送システムや受信基地局設備の納入が大幅に伸長しました。
損益面につきましては、放送システムのIP対応製品開発や次世代技術の獲得に向けた研究開発費が増加したものの、増収および売上総利益率の改善により、営業利益は前年同期の実績を上回りました。また、経常利益および当期純利益は、為替差益や税効果会計の影響等により、前年同期および期初の業績予想を上回る結果となりました。
今期第86期の当社グループを取り巻く事業環境としましては、想定外の中東情勢の緊迫化・長期化リスクが高まるなか、前期まで好調に推移していた中東ビジネスへの影響が懸念されるほか、原材料価格の高騰や供給制限による調達への影響等が想定されます。また、国内においては客先の設備投資計画の一巡を背景に、当期は大型案件の計上が限定的になるものと見込んでおります。
一方、来期以降につきましては更新案件等の具体化が見込まれており、業績の本格的な拡大につながるものと考えております。
こうした事業環境のもと、放送システム事業におきましては、新技術の獲得・活用を通じ、次世代の放送を見据えたIPやクラウド、AIの活用による高度なトータルシステムソリューションの提案力を強化していきます。また、IPエクステンションユニット「IPX-100」および4K/HDマルチパーパスカメラ「UHL-X40」の販売促進により、国内外の放送局市場のほか、非放送局市場におけるシェア拡大も目指していきます。
注力事業である産業システム事業におきましては、メディカル事業において、引き続き海外を中心とした内視鏡および顕微鏡用カメラのOEMビジネス拡大や新規OEM顧客の獲得に取り組むとともに、昨年参入した新規分野における成長に向けた取り組みを推進していきます。
セキュリティー事業では、防衛省をはじめとする官公庁や鉄道、プラント市場等の公共性の高い市場を最注力領域と位置づけ、売上規模の拡大を図っていきます。
検査装置事業では、医薬市場向けの錠剤検査装置や錠剤印刷装置のシェア拡大に加え、検査自動化ニーズの高まりを背景に、産業市場向けの平面検査装置や粉体検査装置の販売拡大を図り、事業規模の拡大を目指していきます。
株主の皆さまにおかれましては、引続き絶大なるご理解とご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
2026年6月
池上通信機株式会社
代表取締役社長 清森 洋祐



