トップメッセージ

株主の皆さまにおかれましては、日頃より当社事業への多大なるご理解と厚いご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

今年度第85期は、引き続き変動の激しい経済環境の中で、当社グループのパーパスである『「技術」のチカラで、あなたをしあわせに。』を具現化するため、持続的な成長と発展に向けた各種取り組みを進めております。こうした状況のなか、当中間連結会計期間の業績は、前年同期を上回る結果となりました。

売上高につきましては、第2四半期の納入が計画どおりに進んだことに加え、第1四半期から先送りとなっていた注残案件の納入が進みました。さらに、第3四半期以降に売上計上を予定していた案件の一部を前倒しで納入したことから、前年同期を上回りました。
 国内におきましては、放送システム事業の売上高が前年同期を大幅に上回ったほか、注力事業である産業システム事業(セキュリティー・メディカル・検査装置)の売上高も前年同期を上回りました。特に、放送システム事業では、放送局および公営競技市場において大型の放送システム案件を複数納入したほか、放送局および官公庁向けの無線通信機器や伝送システムの販売も大きく伸長しました。また、セキュリティー事業では、鉄道市場向け車掌用ITVシステムの販売が増加したことや、防衛省をはじめとする官公庁向け案件の納入が好調に推移したことも寄与しました。
 海外におきましては、放送用カメラの販売が中東およびアジア地域における大型案件の納入により伸長しました。医療用カメラの販売は、中国市場において一部注残案件の納入延期が続いたほか、欧州地域においてもOEM先の販売低迷や計画延期の影響を受けました。一方で、既存の硬性鏡や顕微鏡向けに加え、新分野向けのカメラ開発を進めた結果、北米地域では新規OEM先への販売が増加しました。
 損益面につきましては、増収に伴う売上総利益の増加および売上総利益率の改善により、前年同期を上回りました。

今後の見通しにつきましては、米国の通商政策や金融資本市場の変動、地政学的リスクなどを背景に、不確実性の高い状況が続いております。
 このような事業環境において、当中間期の業績は、第1四半期から納入延期となっていた注残案件を売上計上したほか、下半期に納入を予定していた案件の一部前倒しもあったことから、堅調に推移しました。また、当社は客先要求により年度末納入案件が多く、第4四半期に売上が集中する傾向があることから、期初の計画どおりに推移していると判断しております。

当社グループは引き続き、第85期の計画達成に向けて、各事業の成長戦略を確実に実行し業績の向上を目指すとともに、市場ニーズに応じた製品展開を通じてさらなる成長を追求してまいります。あわせて、財務体質および人的資本・知的資本の強化、ESG経営などの非財務戦略を推進し、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。

株主の皆さまにおかれましては、引続き絶大なるご理解とご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2025年12月
池上通信機株式会社
代表取締役社長 清森 洋祐