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Ikegami TECH

2022.02.15

Ikegami TECH Vol.4  量か質か?

量か質か?

新しいスマートフォン購入を検討していた際、目に飛び込んできたのは『1億超え画素の高画質カメラ!』…
比較して見ていると、画素数は1,000万から1億画素台まで機種によって様々です。
この画素数、多ければ多いほど良いのでしょうか?

カメラに搭載されているイメージセンサーには、様々なサイズがあります。1/3インチ程度の小さなものから、4/3インチ、Super35mm、35mmフルサイズなどがあります。これをイメージサイズと言います。
ちなみに、1/3インチと言うのは、本来イメージサイズの対角のサイズを示すのですが、実際の1/3インチのセンサーの撮像エリアの対角は6mmです。1/3インチ=8.47mmとは異なっています。これは、撮像素子に撮像管(真空管)を使っていた時、管の直径のサイズを表記していた頃の名残で、サイズ表記に対して実際の撮像エリアの対角は7割弱程度小さくなっています。

そのイメージサイズの中に、画素(光を受光する素子)が何個入っているか?が「画素数」となります。
画素数は多ければ多いほど、より高精細な映像が撮れるようになります。

一方、この画素数が多くなればなるほど、小さくなるものがあります。さて、何が小さくなるでしょう?
出来上がりサイズがA4サイズのジグソーパズルをイメージしてみましょう。
100ピースでA4サイズになるのと1,000ピースでA4サイズになるものがあるとすると、1ピースのサイズは1,000ピースパズルの方が小さくなります。同じイメージサイズの中でどんどん画素数を増やしていくと、画素そのものは小さくなってきます。
画素を、光を貯めるバケツに例えてみましょう。(図1)
一定の範囲にバケツを置くとしたら、小さなバケツの方がより多くのバケツを置けます。
一方、バケツが小さくなると、一度に受けられる光の許容量が少なくなってしまいます。(図2)

(図1)
(図2)

一度に受けられる光の許容量が少なくなると、暗い部分や明るい部分の再現が限られてしまう事になります。
この様に同じイメージサイズである限り、画素の「数」に起因する解像度と、画素の「大きさ」に起因する感度やダイナミックレンジの関係はトレードオフの関係となるわけです。

このため、画素数が多ければ多いほど良いのか?というのは「どのような条件で何を撮影するかによって異なる」ということになります。
安定した照明下で決まった被写体を撮影する場合は、解像度重視の方がより良い高精細な画が撮れるかもしれません。
一方、自然界の様々な環境条件下で安定した画を撮るには、感度やダイナミックレンジを適度に確保する事が必要となります。
最低限の画素数の確保は重要ですが、画素の大きさも画質を決める大きな役割を果たすのです。
今回は、使い方に応じて最適な画素数は変わってくる、というお話でした。

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