株式会社TBSテレビ様(以下、TBS様)は東京・赤坂に放送センターを構え、おなじみのドラマやバラエティー、報道番組を放送しているJNN系列全国28局ネットのキー局です。
この度、TBS様が新設された「Gスタジオ」にIkegamiの4KシステムカメラUHK-430が採用されました。
TBS様局内で増加しているスタジオ需要に対応するために新設されたマルチユーススタジオです。テレビ、ラジオ、更にはインターネット配信などの放送形態にマルチに対応していることから、「マルチユーススタジオ」と呼ばれる珍しいタイプのスタジオです。2018年6月に開催された国際的サッカー大会の中継番組の一部が、このGスタジオから放送されました。そのGスタジオのカメラとして、4式のUHK-430が運用されています。
今回、設備導入をご担当されたTBSテレビ山田様に、UHK-430をご採用頂いたポイントや実際に運用頂いた感想などを伺いました。
今回のGスタジオは、元々ラジオのスタジオ・サブだった場所を改修したこともあり、通常のテレビスタジオ・サブに比べてスペースや電源容量において制限が多くありました。また、納期も限られているという状況でしたが、Ikegamiさんにはスピード感を持ったやり取りで、こちらの要望に対しても柔軟に対応頂けたと感じています。おかげで非常にスムーズに作業を進めることができました。
カメラは、「現時点で最も、『可能性』と『将来的な拡張性』を持った機器を選択する」というコンセプトで機器選定を行いました。UHK-430は他社に先駆けて12G-SDIに対応していたことが、将来的な拡張性を有しているという点で大きなポイントとなりました。その他、40Gbps広帯域のトランシーバがCCUに搭載されているというIkegamiさん独自の仕様も魅力的に感じました。この仕様により、カメラヘッド-CCU間を光カメラケーブル1本で大容量データの伝送ができます。今後4Kでの番組制作が進み、大容量データを取り扱う場面も増えていく中で、非常に有効な機能になると思います。
また、実際に操作するカメラマンの意見を重視する中で「VF(ビューファインダ)の視認性の良さ」や、「肩に担いだ時の前後・左右のバランスの良さ」に高い評価が集まりました。定量的な評価が難しい画質面でも、解像度や発色の良さ、表現力の高さに対して現場のメンバーから「是非このカメラを使ってみたい」という声が上がり、総合的な判断でUHK-430を採用することになりました。
今回、標準品に近い仕様で導入し、大きなカスタマイズは行っていませんが、標準仕様でも必要な機能は全て搭載されており、非常に快適に運用することができています。一部カスタマイズをお願いした部分もありましたが、素早く柔軟に対応頂き、満足のいく運用につながりました。
Gスタジオのサブは生放送に対応していないため、Gスタジオから生放送を行う場合は、他の生放送に対応したスタジオ・サブと連携して運用する必要があります。その際、カメラ映像の色合いやカラーバランスなどを調整するリモコン「OCP-300」を連携先のサブに設置し、「OCP-300」とGスタジオのカメラ間の接続を延長する装置としてIkegamiさんの光伝送装置iHTR-100※を使用しています。延長した場合に懸念していた操作レスポンスの遅延もなく、ストレスを感じることなく運用できています。
全体的に、思い描いていた通りのスムーズな運用ができており、満足しています。
今回のスタジオ新設では、Ikegamiさんと一丸となってGスタジオを作り上げることができました。今後もパートナーとして、お互いに良い関係性を築いていきたいと思っています。
また、技術の移り変わりが激しい世の中において、最新のトレンドを掴んだ製品を開発し続けて欲しいですね。新しいトレンドの波が来たときに、そのトレンドに沿った製品をいち早く提案し、我々ユーザーの背中を後押ししてくれることを期待しています。