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2017年2月14日

池上通信機は、国立研究開発法人 情報通信研究機構様(NICT様)主催の「109Gbpsの8K非圧縮映像と音響環境の分割遠隔配信」実証実験に参加しました。

■ 池上通信機の参加内容
SHK-810 国立研究開発法人 情報通信研究機構様(NICT) が主催した「109Gbps 8K超高画質非圧縮映像・音響環境の分割遠隔配信」の実証実験において、当社の8Kカメラシステム「SHK-810」によって撮影された8K超高精細映像が配信されました。
2月6日(月)から開催された“さっぽろ雪まつり”の会場に設置された8Kカメラシステム「SHK-810」は8K超高精細に加えて高感度を誇り、日中はもちろん、夜間の会場の様子も鮮明に映し出しました。
 本実験の成果は、2月6日(月)・7日(火)にグランフロント大阪内のナレッジキャピタルにて一般公開され、多くの来場者の関心を集めました。

以下、国立研究開発法人 情報通信研究機構様 プレスリリースより引用
■ 実験のポイント
NICT総合テストベッド研究開発推進センター は、ネットワークテストベッドJGNをはじめとする実証実験環境を提供しています。今回、産学官関係組織48団体の参画によるNICT主催の実証実験として、100Gbps超の8K非圧縮映像と、8K相当品質である立体音響の遠隔配信に成功しました。これは、100Gbps超のライブ映像を分割・同期再生する技術の確立により、複数の回線を用いた遠隔配信が初めて実現したものです。これにより、帯域が制約される実環境においても、複数の回線を組み合わせることによって、より高画質な映像配信が実現できました。

■ 実験の背景
NICT及び雪まつりにおける映像配信実証実験に参画する団体は、2014年から8K非圧縮の映像配信に成功しています。今回の実験では、1回線の最大帯域が100Gbpsのため、109Gbps*4の映像データではオーバーするので、1回線での配信は不可能でした。しかし、複数の回線を合わせて利用すれば、より高画質の映像を伝送できます。これには映像の分割・同期技術が必須であり、特に、100Gbpsを超えるようなケースでは、映像アプリケーション側での高速処理のほか、ネットワーク側での精緻な伝送遅延のコントロールが課題でした。今後、8K/4K*2普及に向けて様々な映像中継環境が想定される中で、回線状況の整っていないような場所からも大容量の配信を行うといった、より現実的な伝送技術が重要となってきています。

■ 実験の成果
NICTと参画プロジェクトは、従来の25Gbps映像配信の約4倍超となる109Gbpsの8K非圧縮映像を分割して、複数の100Gbps回線を併用し、伝送することに、世界で初めて成功しました。同時に、立体音響再現のため、ハイレゾ音声を収録(192kHzサンプリング、24bit、16ch)、遠隔地への伝送を行い、8K映像と音声を合わせた高臨場感環境を表現しました。
実験では、複数台の8Kカメラを合わせた広視野角の8K映像(109Gbps)を札幌にて撮影し、その映像ストリームは複数の回線に分けて伝送するために、リアルタイムに分割されます。データは、それぞれ距離や遅延時間が異なる複数の回線で伝送されるため、経路制御による遅延時間調整を行うことで、再生場所である大阪で同期して、再度、一つの映像ストリームとして再構築されます。立体音響データは、映像と同期して札幌で収録し、大阪に設置した立体音響再生環境にて映像と合わせて復元されます。映像アプリケーションのみでは処理が難しい超広帯域配信を、ネットワーク側での遅延調整を併用することで実現しました。

また、今回は映像のライブ配信と同時に、JGNとStarBED*5を利用し、高臨場感環境の収録、再生も実施しています。
映像配信を行う際、これまでは1回線当たり利用可能な回線帯域が、映像品質を決める際の制約となっていました。本実験の成功により、分割したストリームを回線ごとに柔軟に割当てができることで、複数回線を組み合わさなければ十分な帯域が確保できないような映像撮影、中継環境においても、より高画質な映像配信が実現できることを示しました。
実験は、JGN上で運用中のネットワーク仮想化技術と合わせて、国立情報学研究所(NII)が構築・運用するSINET5*6上で今回、実験的に提供するL2オンデマンドサービス*7の双方を利用し、途中の中継経路を細やかに設定することで、遅延時間のコントロールが可能となりました。
今回、神奈川工科大学、奈良先端科学技術大学院大学、関西大学で実験システムの開発・運用をはじめとして、 サイバー関西プロジェクトを通した産学官間の連携による人的交流や技術的ノウハウの共有が実験に貢献しました。また、各企業が製品開発中の8K映像・音声配信システムや通信装置を持ち込み、実験を通じて企業の製品開発チームが自らソフトウェア、ハードウェアに改良重ねることで実験が実現しました。

これらの実験は、<実証実験 参加機関>に記載の機関の協力・協賛を得て実施するものです。
・国立研究開発法人 情報通信研究機構様:ホームページ(http://www.nict.go.jp) プレスリリースへ(リンク)

Osaka グランフロント大阪内のナレッジキャピタルにて一般公開された雪まつり会場の8K映像。

池上通信機は今後も、8K映像技術の更なる進化と実用化に向けた取り組みに積極的に参加してまいります。

<用語解説>
*1 JGN: NICTが2011年4月から運用している、未来のICT社会に見合う新世代ネットワーク技術の実現と、その展開のためのテストベッド。

*2 8K/4K: 4Kは、高品質テレビ規格で、現行のフルハイビジョンの画素数(約200万)の4倍にあたる800万画素を持ち、高精細な映像品質を実現する。放送向けの4K規格では横3,840×縦2,160の画素数であり、横方向の画素数が約4,000であることから4Kといわれる。8Kは、NHK放送技術研究所が中心となって開発されているテレビ規格であり、4Kの約4倍、現行のフルハイビジョンの約16倍にあたる3,300万画素を持つ。横7,680×縦4,320の画素数であり、横方向の画素数が約8,000であることから8Kと呼ばれ、ウルトラHD(UHD)又はスーパーハイビジョンとも呼ばれる。2016年8月にはBS放送による4K・8K試験放送が始まっており、2018年にはBS放送及び東経110度CS放送による4K・8K実用放送が開始される予定である。

*3 立体音響: 音声の録音・再生時に、3次元的な音の方向、距離、広がりを再現するための手法。従来の音響システムと比較して非常に高い臨場感が得られることが特徴となっている。今回の実験では、現場で収録した16chの音声を、8chの3Dオーディオ再生空間に最適となるように調整して再生した。

*4 109Gbps: 109Gbpsの場合、1秒当たり109ギガビット(約14ギガバイト)のデータが伝送可能で、これはブルーレイディスク(片面1層)1枚のデータを2秒弱で送信できる計算となる。昨年までの8K非圧縮映像は約25Gbpsであったが、今回の実験映像は、1秒当たりのフレーム(コマ)数を2倍に増やすことで、より滑らかな動きを表現、また、2台のカメラを用いたことで、2倍広角となる映像を実現した。

*5 StarBED: NICTが2002年から運用している、多数のPCサーバーを用い実環境向けのソフトウェア・ハードウェアを動作させることで、それぞれの検証を行うためのテストベッド環境。

*6 SINET5: 国立情報学研究所(NII)が日本全国の大学、研究機関等の学術情報基盤として構築・運用している情報通信ネットワーク。

*7 L2オンデマンドサービス: SINET5が提供するサービスで、相互に接続したい地点(2箇所以上)を事前に申請登録し、それらのうちの任意の2地点について、任意の時間に専用線と同等の品質保証パスを確立することができる。