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2018年2月1日

朝日放送様にFPU集中制御システムを納入

池上通信機は、2017年7月に朝日放送株式会社(以下ABC)様へ、FPU集中制御システムを納入しました。FPUや回転架台など構成機器を集中制御・監視し、現場からのON AIRをサポートすることで、生中継の速報性に大きく貢献しています。

[FPU集中制御システム]

事件・事故現場から中継する際に、FPU(無線で映像・音声を伝送する装置)を使用します。放送局では、市街地を見渡せる山の頂上や高層ビルの屋上に回転架台とFPUを設備しており、ここを経由して本社へ伝送します。事件・事故の第一報が入りますと、ヘリコプタや報道中継車が目的地に向かいます。本社では、これら現場のスタッフと連絡を取りながら、安定した伝送路の確立を進めていきます。本システムは、目的地の位置を把握し、最適なFPU受信基地局(以下基地局)を選択、回転架台を送信点へ向け、さらにFPUをはじめシステムを構成する各機器の状態を集中制御・監視することで、いち早くニュース素材を安定して受信することをサポートします。
突然の事件・事故発生の中継は、そのニュース素材を全国あるいは全世界に伝えるため、不確かな情報が飛び交うなかで一分一秒を争う緊迫した業務になります。本システムは、そのなかで、運用者の負担を軽減し、迅速で確実なオペレーションを確立する統合支援システムです。


地図:MapDK5 (C)INCREMENT P CORPORATION
生駒第2基地局 受信架台制御画面

特長
  • 基地局の制御監視回線の冗長化および自動切替機
    光回線、IP回線、長距離無線LAN、4W専用線などによる冗長化に対応しています。
    使用する制御監視回線の優先順位をGUI上で変更することが可能で、使用している回線が切断されたときに自動的に優先順位の低い回線に切り替えてシームレスに運用できます。

  • 支局・情報カメラの制御・監視のバックアップにVHFデジタル無線機の※ベアラモード通信を使用。
    バックアップにVHFデジタル無線機のベアラモード通信を使用することで、支局FPUの制御監視の信頼性が高めています。
    ※ベアラモード:データ端末装置などの機器を接続してテキスト等の非音声データを伝送するモード。


関空支局の制御・監視画面

  • FPUで伝送するニュース素材や遅延プロファイルの名称をマルチビューワへ自動的に割り当て
    各基地局や本社のFPUで受信するニュース素材や遅延プロファイルの名称を本システムで一括管理することにより、マルチビューワへ自動的に割り当てし、それらの素材名を容易に確認することができます。
  • 音階発生装置による送信側のアンテナ方向調整の支援
    回転架台のFPUの受信電界値を音階発生装置で遅延なくリニアに音階に変換し、VHFデジタル無線機で伝えることで、送信側のFPUアンテナの方向調整をサポートします。
  • フルHDタッチパネル対応の操作画面
    フルHDの解像度を活かした操作性、わかりやすいユーザーインターフェースを実現しています。また、マルチディスプレイ化することで複数の受信支援画面を同時に表示することができます。
  • 豊富な運用支援機能

    1. 高層ビルデータを反映させた見通しエリア表示機能
      ヘリなどにおける送信点の1m単位の高度の変化にもスムーズに見通しエリアを地図上に表示することができます。送信点の高度をバーグラフ表示することで、ヘリの高度を変えることによる見通しエリアの変化を把握でき、ヘリ伝送による見通しの可否を3次元で判断できます。高度を可変することで、ヘリ伝送を事前にシミュレーションできます。図の青が見通せないエリアで、赤は585ft以上の高度のある(そのまま進むと衝突する)エリアです。地図上の任意の点をクリックし送信点(ヘリの位置)を設定します。×印が送信点(ヘリ)で、緑は送信点と生駒2基地局を結んだ線です。赤の直線は回転架台が向いている方向を示します。ヘリが585ftの高度で飛行した場合に、高層ビル(阿倍野ハルカス)の影になり見通せないエリアがあることがわかります。

      地図:MapDK5 (C)INCREMENT P CORPORATION
      1/50000の縮尺 / 高度585ftのヘリからの送信を生駒第2基地局で受信した場合の見通しエリアの表示。


      地図:MapDK5 (C)INCREMENT P CORPORATION
      1/6250の縮尺 / 天王寺駅付近を拡大すると、阿倍野ハルカスが赤で示され、送信点が青のエリアにあり、見通せていないことがわかります。

    1. 高層ビルデータを反映させたプロフィール表示機能
      高層ビルデータを反映することにより、都心部のプロフィールの精度を大幅に向上させました。
      設定した送信点から各基地局までの見通し可否をリアルタイムに演算し、受信可能な基地局を一覧表示します。


      送信点と生駒第2基地局を結んだラインのプロフィール表示
      阿倍野ハルカスが影になり、高度0mでは生駒第2基地局は見通せません。見通せる高度は301.6mです。
      摩耶基地局のみが見通し可であることがわかります。
       

    1. ワンタッチ操作での伝送実績データベースによる方向調整機能
      ジャンル別のプリセット登録データ表示画面、FPU伝送実績データベース一覧表示画面、地図上に表示したFPU伝送実績データベースアイコンからワンタッチ操作で、回転架台、FPU 受信機の一括制御を行います。

    1. VHFデジタル無線機のGPSデータによる方向調整機能
      地図上の中継車アイコン、携帯機アイコン、ヘリ用車載機アイコンを選択すると、そのVHF GPSデータの位置に方向調整します。障害物などによりヘリ位置を見失った場合、VHF GPSデータでヘリを捕捉することができます。

    1. 過去のFPU伝送実績データベースの地図表示機能
      任意のエリア内に存在する過去のFPU伝送実績データベースを地図上にOK/NGで表示することで、そのエリアの過去の伝送実績を確認できます。

    1. 過去のヘリ伝送実績データベース地図表示機能
      過去のヘリ伝送実績を1フライト分再生表示し、運用毎の伝送状況を確認できます。任意の範囲内にある過去のヘリ伝送実績データを再生表示し、その地点での伝送実績を確認できます。

    1. FPU の受信状態のグラフ再生表示機能
      TSL を含めた全基地局の受信状態を常時記録します。日時を指定すると、記録された受信状態をグラフ表示し、過去の伝送状況を確認することができます。タイムシフト再生にも対応しています。マウス操作によるグラフの左右スクロールやグラフの拡大、縮小が可能です。

    1. 受信支援情報の表示機能
      池上製FPUでTS多重された受信支援情報、本社までIP伝送されたFPU 受信機の受信支援映像を各々サブ画面で表示します。

    1. 住所検索機能および施設検索機能
      住所検索はひらがなによるあいまい検索機能にも対応しました。また、駅、警察署や消防署などの官公署、学校、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなど街中でよく見る目印となる建物での検索が可能です。

    1. 住所の振り仮名表示機能
      土地勘のない地域の住所も、口頭で相手に正確に住所を伝えることができます。
      「十三」「放出」「大物」など近隣地域の方以外は正しく読めない地名も、「じゅうそう」「はなてん」「だいもつ」と表示しますので、正確なコミュニケーションを取ることができます。


    地図:MapDK5 (C)INCREMENT P CORPORATION

お客様の声
Q. 導入にあたって、弊社をお選び頂いた理由についてお聞かせ下さい。
A.先に導入していた和歌山FPU集中制御システムとの統合を図りやすかったこと、自社製の高品位な機器を数多く使用する提案内容だったこと、大阪に技術者が常駐しており軽微なトラブル時の早急な対応が可能であることなどが理由です。

Q.本設備の満足度はどのくらいでしょうか。
A.とても満足しています。

Q.今後、FPUおよび受信基地局において、弊社に期待することはどのようなことでしょうか。
A.耐故障性の向上を期待します。


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