株式会社東通　様

4K対応の可搬型大型センタースイッチャシステムが番組中継で活躍!

株式会社　東通　様（以下、東通様）は、中継番組やドラマ制作など多くの番組制作にかかわる大手制作プロダクションです。
池上通信機は2020年2月、ゴルフや駅伝の大型スポーツ中継番組などに対応する可搬型大型センタースイッチャシステム※を納入しました。
今回、導入から1年経過したところで導入の経緯と実際の現場での使い勝手についてお話を伺いました。

※　センタースイッチャシステムとは
センタースイッチャシステムは、映像スイッチャやルーティングスイッチャなどで構成される可搬型の映像システムで、現地に持ち込んで中継映像を制作するためのサブシステムとして運用されています。ゴルフやマラソンなど大規模なスポーツ中継では、各拠点の映像を集めスイッチングしてオンエアーするシステムが構築されます。その中央のシステムとなることからセンタースイッチャシステムと呼ばれています。

お話を伺った方（左から）

　　第１テクニカルセンター　総合技術部
　　パートナー部長　　　高橋　和同　様

　　第２テクニカルセンター　中継部
　　間瀬　拓之　様

　　第１テクニカルセンター　中継ENG技術部
　　市瀬　康之　様

東通様には、初めてのスイッチャシステム納入ですが選定のポイントは？

「発注当時は、4K対応や入出力数（140×140）など仕様をみたすルーターがなく、このシステムで言えばルーターの仕様が選定の大きなポイントになりました。計画当初からラックは3ラック以内で納めることで進めていて、大きさや重量もこちらの想定通りでした。」

「マルチビューワも以前は、センター設備に外付け増設していましたが、ルーター機能に内蔵されて非常にコンパクトになり、そのため映像信号やタリー信号を送る配線作業等の設営時間の短縮ができ、ルーターの機能で大抵のことは出来てしまうことが大きな選定理由になりました。」

システムが変わってよかった点、苦労された点はありますか？

「池上の大きなシステムの採用は今回が初めてだったので、操作について当初は戸惑うところはありましたが、中継の現場に技術の方が来ていろいろサポートいただきました。操作はGUIがわかりやすくパソコン上で直感的な操作が可能だったので一回操作すれば習得できました。」

「最初のシステムということもありますが、要望や問い合わせに対して丁寧に対応してもらえたサポート力は優れていると思います。納入後、新たに追加したい機能について相談した際も、操作画面のGUI上に新しいボタンを作り迅速に対応してもらえたので助かりました。」

ニューイヤー駅伝で実際使われた感想は？

「ニューイヤー駅伝では、DSK 8系統のフル使用を試してみましたが便利に使えることがわかりました。次回はさらに系統を増やした映像を試してみたいと思います。」

「フレームメモリーが、一度電源を落としても翌日再起動時にメモリーにデータを読み込んでくれるので以前のシステムより再登録の手間が少なくなり使いやすくなりました。」

「マルチビューワ全32出力をルーターに構成することですごく便利になりました。ルーターに入っているものがすべて素材としてあり、結構な数があっても思うように画面に出せました。実際ニューイヤー駅伝では、20分割画面を中継所ごとに切り替えて運用していました。また今回、制作体制も変わってセンターに来る映像も増えましたが、マルチビューワの作り方に非常に自由度があるので、以前なら出来ないと断っていた要求に対してもすんなり応えることができました。」

「現場での運用を想定して設計したと思われるラックの配線がよく出来ていて、信号の種類を確認しなくても間違いなく配線でき、基本的な配線であれば1時間もあれば完成しますし、撤収も早くなりました。」

今後のスイッチャシステムに望むことはありますか？

「パソコン1台でGUI操作を1元化していますが、複数で役割分担できると作業効率がより上がると思います。」

「IP化によってケーブル配線が更にシンプル化が出来たらすばらしいですね。」

「MADIやDANTEといった音声の規格が主流になってきており、これらとの連動が出来たらよいですね。」

今回東通様から、納入した機器を実際の現場で使用していただいた上での大変貴重な感想、意見を伺うことが出来ました。スイッチャやルーターそのものが持つ機能やシステム的な使いやすさだけでなく、設置や撤収の大幅な時間短縮など、運用されているスタッフの皆様の働き方改革にも繋がっていることがとても印象的でした。
池上通信機は、こうしたお客様からの声に真摯に応え機器の開発、製作に反映していきたいと考えます。